東京為替見通し=ドル円、13-14日のFOMCを控えて動きづらい展開か

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った11月米卸売物価指数(PPI)を受けて米10年債利回りが3.59%台まで上昇したことで、135.61円から136.90円まで上昇した。ユーロドルは欧州序盤の高値1.0588ドルから1.0507ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、日足一目均衡表・転換線136.76円付近での動きづらい展開が予想される。
 明日発表される米11月消費者物価指数(CPI)は、前年比+7.3%と予想されており、10月の前年比+7.7%からの伸び率鈍化が見込まれている。先週末に発表された11月の卸売物価指数(PPI)は、前年比+7.4%となり、予想の+7.2%を上回ったものの、10月の前年比+8.0%からは伸び率は鈍化し、過去18カ月で最も低い伸びに留まった。そして、米ミシガン大学が発表した1年先のインフレ期待は4.6%と前月の4.9%から低下して、15カ月ぶりの低水準を記録した。

 米国の最近の物価指標は以下の通りに伸び率鈍化傾向を示しており、FOMCでの0.50%の追加利上げの確率を高めている。
  【PCE】  【CPI】 【PPI】 【1年先のインフレ期待】
6月:6.8%   9.1%   11.3%   5.3%
7月:6.4%   8.5%   9.8%   5.2%
8月:6.2%   8.3%   8.7%   4.8%
9月:6.2%   8.2%   8.4%   4.7%
10月:6.0%   7.7%   8.0%   5.0%
11月:(※予想)7.3%   7.4%   4.9%
12月:                4.6% 

 市場筋の見立ては、FF金利誘導目標が0.50%引き上げられ、その後2回の会合ではそれぞれ0.25%引き上げられる、と予想している。
 そして、FOMCメンバーの2023年の予測中央値のピークは、9月の4.6%から、パウエルFRB議長が示唆したように、4.9%程度まで引き上げられることが見込まれている。中央値4.9%はFF金利誘導目標4.75-5.00%のレンジに相当する。
 タカ派的な見方は、4.75-5.00%の水準が2023年末まで続くことを予想しているが、ハト派的な見方は、長短金利逆転(逆イールド)が示唆しているように、下半期は利下げに転じることを予想している。
 米10年債利回りは、10月21日の4.335%、11月8日の4.241%でダブル・トップ、変則的なヘッド・アンド・ショルダーが完成して、目標値2.78%が点灯しており、米国のリセッション(景気後退)入りを警告している。



(山下)
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