東京為替見通し=ドル円、11月FOMCでの0.75%利上げ確率上昇で底堅い展開か
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米非農業部門雇用者数が26.3万人増と予想を上回り、失業率が3.5%だったことで、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり、145.44円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇を受けて0.9726ドルまで下落した。ユーロ円もユーロドルの下落につれて141.20円まで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で閑散取引の中、米国9月の雇用統計を受けて11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%利上げ確率が上昇していることで底堅い展開が予想される。
ユーロドルは、クリミア橋の爆発に関して、プーチン露大統領が「ロシアの重要インフラの破壊を狙ったテロで疑いはない。発案者、実行者、依頼者はウクライナの特殊部隊だ」と述べていることで、関連ヘッドラインに要警戒か。ロシアのメドベージェフ前大統領は、先日、クリミア半島やクリミア橋に対してウクライナ側からの攻撃があった場合、「終末の日が訪れる」と述べ、強烈な反撃があると警告していた。
米国9月の失業率は3.5%で、8月の3.7%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+26.3万人で、8月の前月比+31.5万人から増加幅が減少していた。
失業率が3.5%へ低下し、21カ月連続での雇用拡大となったことで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月FOMCでの0.75%の利上げ確率は81.1%、12月FOMCでの0.75%の利上げ確率が24%程度まで上昇している。
ドル円のテクニカル分析では、9月22日の高値145.90円と安値140.36円を軸にした「ダイヤモンド・フォーメーション」を形成しつつある。ダイヤモンド・フォーメーションの左側の起点144.99円(9/7高値)から9月22日までが12営業日、そこからの12営業日が10月7日であり高値は145.44円までだった。今週、145.90円を上抜けていけば、ダイヤモンド・フォーメーションという見立てが崩れることになる。
また、9月22日の本邦通貨当局による過去最大規模(2兆8382億円)のドル売り・円買い介入により、145円台に「神田シーリング」が設定されているのではないか、との警戒感があるため、ドル売り介入第2弾の可能性に要警戒となる。
本邦通貨当局の介入スタンスは、実需の円売りや円買いを相殺する介入となっている。すなわち、9月22日の円買い介入金額2兆8382億円は、8月の日本の貿易赤字2兆8172億円という実需の円売りを相殺している。そして、過去の介入が1度だけで終わったことはなかったことで、「断固として(resolute)利上げを継続」(デイリー米サンフランシスコ連銀総裁)と「断固たる措置」(鈴木財務相・神田財務官)の攻防を見極めていくことになる。
神田財務官は、昨年10月のイタリア・ローマで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議で、イエレン米財務長官と話し込んでいたと報道されており、今回の介入での米国債売却などにも言及されていたのではないだろうか。今週12-13日に開催されるG-20会議では、ドル高抑制への言及にも注目しておきたい。
(山下)
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で閑散取引の中、米国9月の雇用統計を受けて11月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%利上げ確率が上昇していることで底堅い展開が予想される。
ユーロドルは、クリミア橋の爆発に関して、プーチン露大統領が「ロシアの重要インフラの破壊を狙ったテロで疑いはない。発案者、実行者、依頼者はウクライナの特殊部隊だ」と述べていることで、関連ヘッドラインに要警戒か。ロシアのメドベージェフ前大統領は、先日、クリミア半島やクリミア橋に対してウクライナ側からの攻撃があった場合、「終末の日が訪れる」と述べ、強烈な反撃があると警告していた。
米国9月の失業率は3.5%で、8月の3.7%から低下、非農業部門雇用者数は前月比+26.3万人で、8月の前月比+31.5万人から増加幅が減少していた。
失業率が3.5%へ低下し、21カ月連続での雇用拡大となったことで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月FOMCでの0.75%の利上げ確率は81.1%、12月FOMCでの0.75%の利上げ確率が24%程度まで上昇している。
ドル円のテクニカル分析では、9月22日の高値145.90円と安値140.36円を軸にした「ダイヤモンド・フォーメーション」を形成しつつある。ダイヤモンド・フォーメーションの左側の起点144.99円(9/7高値)から9月22日までが12営業日、そこからの12営業日が10月7日であり高値は145.44円までだった。今週、145.90円を上抜けていけば、ダイヤモンド・フォーメーションという見立てが崩れることになる。
また、9月22日の本邦通貨当局による過去最大規模(2兆8382億円)のドル売り・円買い介入により、145円台に「神田シーリング」が設定されているのではないか、との警戒感があるため、ドル売り介入第2弾の可能性に要警戒となる。
本邦通貨当局の介入スタンスは、実需の円売りや円買いを相殺する介入となっている。すなわち、9月22日の円買い介入金額2兆8382億円は、8月の日本の貿易赤字2兆8172億円という実需の円売りを相殺している。そして、過去の介入が1度だけで終わったことはなかったことで、「断固として(resolute)利上げを継続」(デイリー米サンフランシスコ連銀総裁)と「断固たる措置」(鈴木財務相・神田財務官)の攻防を見極めていくことになる。
神田財務官は、昨年10月のイタリア・ローマで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議で、イエレン米財務長官と話し込んでいたと報道されており、今回の介入での米国債売却などにも言及されていたのではないだろうか。今週12-13日に開催されるG-20会議では、ドル高抑制への言及にも注目しておきたい。
(山下)