東京為替見通し=ドル円、明朝のFOMC声明待ちで動意に乏しい展開か

 26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが2.8068%まで上昇したことで136.97円まで上昇した。ユーロドルは、欧州のガス供給懸念から欧州天然ガス価格の指標とされるオランダTTF天然ガス先物が急伸したことで、1.0108ドルまで下落した。ユーロ円も天然ガス高騰を背景とした欧州景気減速懸念が再燃したことで138.13円まで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて動意に乏しい展開が予想される。

 10時30分に発表される4-6月期豪消費者物価指数(CPI)は、前期比+1.9%、前年同期比+6.2%と予想されており、1-3月期豪CPIの前期比+2.1%からは低下、前年同期比+5.1%からは上昇が見込まれている。
 8月2日の豪準備銀行(RBA)理事会では0.50%の追加利上げが見込まれている。しかし、RBAがインフレ指標として重要視しているトリム平均CPI上昇率が、前期比+1.7%以上の非常に強い数字になった場合、RBA理事会での0.75%利上げ観測が台頭することで要注目か。

 明朝のFOMC声明の発表を控えて、直近のフェデラル・ファンド(FF)金利先物での利上げ確率は、0.75%が75%程度、1.00%が25%程度となっており、リスクシナリオは1.00%の利上げが断行された場合となる。
 予想通りに0.75%の利上げに留まった場合は、米系ファンド筋が夏休みに入ることで、円売り持ちポジションの手仕舞いから、ドル円の上値は重くなることが予想される。
 1.00%の利上げが断行された場合は、円売り持ちポジションの売り増しが想定されることで、ドル円は強含むことが予想される。

 また、米国2年債と10年債の長短金利逆転(逆イールド)の状態が約2週間続いており、リセッション(景気後退)への警戒感が高まりつつある。米国2年債の利回りは、FF金利の到達点と目される3-3.5%程度の見通しを反映しているが、10年債の利回りが低いのは、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策正常化により、最終的にはリセッションに陥り、来年以降は利下げに転じるとの見通しを反映していることになる。
 そして、パウエルFRB議長がリセッション(景気後退)指標として強調している短期フォワードスプレッドも警鐘を鳴らし始めている。
 3カ月物米財務省短期証券(TB)の現在の利回りと18カ月後のインプライドフォワードレートの差は、7月に入り約95ベーシスポイント縮小している。月間の縮小幅として、データのある1996年以降で最大となる。



(山下)
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