株式明日の戦略-日経平均は乱高下して安値引け、マザーズ指数は静かに上昇

 7日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は593円安の31913円。米国株の小幅高に対して3桁上昇スタートと強めに始まり、開始直後には上げ幅を200円超に広げた。しかし、32700円台に乗せたところで頭打ちとなって失速。半導体関連を中心にここまで強い動きを見せていた銘柄群が値を崩すと、指数もマイナス転換から下げ幅を広げた。500円超下げて32000円を割り込んだところで切り返し、後場に入ってしばらくは戻りを試しに行った。しかし衆院財務金融委員会での植田日銀総裁の発言がニュースで伝わる中で値動きが不安定となり、再び32000円を割り込んだ。戻し切れなかったことで終盤にかけては売り圧力が強まり、安値引けとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆6500億円。荒い動きとなる中で商いは膨らんだ。業種別では、プラスはゴム製品の1業種のみで、電気・ガスや証券・商品先物などの下げが限定的。一方、機械、電気機器、医薬品などの下げが大きくなった。証券会社が目標株価を引き上げたTOYO TIRE<5105.T>が急伸。半面、半導体関連の弱さがとにかく目立った1日で、レーザーテック<6920.T>が5%を超える下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり504/値下がり1268。政府の水素に関する基本戦略を手がかりに、岩谷産業、川崎重工、三菱化工機などが関連銘柄として急伸。上方修正を発表した農薬大手のクミアイ化学が大幅高となり、同業の日本農薬も連れ高した。高級ゴルフウェアを展開するキューブが良好な月次を受けてストップ高。資本業務提携のリリースで買いが殺到していたフィーチャは3営業日ぶりに取引時間中に値がつき、きょうもストップ高(68.5%高)で終えた。

 半面、東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコなど半導体装置株が大幅安。足元で半導体関連として人気化したソシオネクストやルネサスなども大きく売られた。ダイキン、キーエンス、ファーストリテイリングなど値がさ株も弱かった。半導体以外でセクターとしての弱さが目立ったのが薬品株で、塩野義製薬が4%を超える下落。中外製薬、エーザイ、ロート製薬が2%を超える下落となった。個別に材料のあったところでは、取引先の民事再生に伴い通期見通しを下方修正したレントラックスが急落した。

 きのうの日経平均は大幅安スタートから大幅高で終えたが、きょうは序盤に大幅高となったところから大幅安で終了と、真逆の展開。SQ週だからなのか波乱はあったし、値幅は下に出た。前場で崩れた後、いったん盛り返したにもかかわらず安値引けとなっており、印象は悪い。ただ、きょうは593円安(31913円)となったが、5日と6日に大きく上昇しており、先週末(31524円)との比較ではまだ400円近いプラス。終値では5日線(31862円、7日時点)を上回っており、日足でもチャートが大きく崩れたわけではない。あすの値動きが9日金曜にも影響を及ぼしそうであるだけに、あす5日線を支えに踏みとどまることができるかが注目される。なお、日経平均が派手に下げた一方で、マザーズ指数は小幅ながらプラスで終えており、年初来高値の794.36p(終値、2/9)を上回る場面もあった。もし、日経平均が持ちこたえられず調整色を強めるようなら、大型株から新興銘柄へのシフトが一気に進む可能性がある。
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