株式明日の戦略-乱高下したものの週間では大幅高、来週は動きづらい一週間に
9日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は623円高の32265円。米国株高を好感して、寄り付きから200円を超える上昇。すぐに節目の32000円を上回り、一気に上げ幅を600円近くに広げた。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が強い動きを見せたほか、大手商社株に買いが入った。前場では32200円台では上値が重くなったが、伸び悩んでも32100円近辺では改めての買いが入った。後場に入ると前場の高値を上回り、上げ幅を600円超に拡大。終盤には32300円台に乗せる場面もあるなど、終日強い基調が続いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3600億円。メジャーSQ日で値幅も出たことから商いは膨らんだ。業種別では卸売、電気・ガス、医薬品などが上昇した一方、海運、空運、石油・石炭などが下落した。ソシオネクスト<6526.T>が11.9%高と急騰。売買代金は全市場でトップ5にランクインするなど、市場の注目を大きく集めた。半面、米国の長期金利が低下する中でもソフトバンクグループ<9984.T>が逆行安となった。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1522/値下がり266。ファーストリテイリングが4.6%高。伊藤忠、三井物産、三菱商事など商社株が商いを伴って大きく上昇した。1Qの好決算が確認できたアルトナーが急伸。証券会社のリポートを手がかりに、コナミGやオカダアイヨンが年初来高値を更新した。岸田首相が少子化対策で会見すると伝わったことから、AIAIやテノHDなど子育て関連銘柄に資金が向かった。
一方、日本郵船など海運大手3社がそろって下落。NY原油の下落が嫌気されてINPEXや石油資源開発が売りに押された。決算が失望材料となったミライアルやシルバーライフが大幅安。1Qが営業赤字となったトラースOPが15%安と急落した。
日経平均は大幅上昇。今週は6月7日の高値32708円から6月8日の安値31420円まで、2営業日で1300円弱水準を切り下げながら、週間ではプラスを達成した。何より、きょうの後場が落ち着いていたことが安心材料。これにより、7日と8日の下げに関しては、SQを前にした需給的な要因が大きかったと市場では解釈される。直近では5月最終日の31日に大きめの下げとなったが、こういった需給のバランスに変化が出そうな局面では、押し目を拾うのが正解との経験則が積み上がった。下落という事実を買いのチャンスと捉える参加者が多くなれば、上昇相場は持続しやすい。今週は、結果的に週央の大きな下げが日本株の中期的な上昇に対する期待を一層高めたと言える。
【来週の見通し】
一進一退か。FOMC(6/13~14)、ECB理事会(6/15)、日銀会合(6/15~16)と中央銀行イベントが続く。東京市場でFOMCを消化するのが木曜15日で、それまでは様子見姿勢が強まるだろう。ただ、FOMCに関しては、6月会合では利上げはスキップされるとみられており、今回は株価を大きく動かすイベントにならなそう。7月の利上げに関して明言があれば米国株の売り材料となり得るが、日本株は米国の金融引き締め長期化という材料に関しては、ここまで耐性を示している。日銀会合は無風通過となりそうだが、足元の日本株が非常に強いこともあり、植田総裁がこのことについてどういった見解を持っているかが注目される。ただ、総裁会見は金曜引け後で来週は消化できない。結果、中央銀行絡みのニュースに振らされはするものの、強弱感が定まりづらく、週間では大きな動きが出てこないと予想する。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3600億円。メジャーSQ日で値幅も出たことから商いは膨らんだ。業種別では卸売、電気・ガス、医薬品などが上昇した一方、海運、空運、石油・石炭などが下落した。ソシオネクスト<6526.T>が11.9%高と急騰。売買代金は全市場でトップ5にランクインするなど、市場の注目を大きく集めた。半面、米国の長期金利が低下する中でもソフトバンクグループ<9984.T>が逆行安となった。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1522/値下がり266。ファーストリテイリングが4.6%高。伊藤忠、三井物産、三菱商事など商社株が商いを伴って大きく上昇した。1Qの好決算が確認できたアルトナーが急伸。証券会社のリポートを手がかりに、コナミGやオカダアイヨンが年初来高値を更新した。岸田首相が少子化対策で会見すると伝わったことから、AIAIやテノHDなど子育て関連銘柄に資金が向かった。
一方、日本郵船など海運大手3社がそろって下落。NY原油の下落が嫌気されてINPEXや石油資源開発が売りに押された。決算が失望材料となったミライアルやシルバーライフが大幅安。1Qが営業赤字となったトラースOPが15%安と急落した。
日経平均は大幅上昇。今週は6月7日の高値32708円から6月8日の安値31420円まで、2営業日で1300円弱水準を切り下げながら、週間ではプラスを達成した。何より、きょうの後場が落ち着いていたことが安心材料。これにより、7日と8日の下げに関しては、SQを前にした需給的な要因が大きかったと市場では解釈される。直近では5月最終日の31日に大きめの下げとなったが、こういった需給のバランスに変化が出そうな局面では、押し目を拾うのが正解との経験則が積み上がった。下落という事実を買いのチャンスと捉える参加者が多くなれば、上昇相場は持続しやすい。今週は、結果的に週央の大きな下げが日本株の中期的な上昇に対する期待を一層高めたと言える。
【来週の見通し】
一進一退か。FOMC(6/13~14)、ECB理事会(6/15)、日銀会合(6/15~16)と中央銀行イベントが続く。東京市場でFOMCを消化するのが木曜15日で、それまでは様子見姿勢が強まるだろう。ただ、FOMCに関しては、6月会合では利上げはスキップされるとみられており、今回は株価を大きく動かすイベントにならなそう。7月の利上げに関して明言があれば米国株の売り材料となり得るが、日本株は米国の金融引き締め長期化という材料に関しては、ここまで耐性を示している。日銀会合は無風通過となりそうだが、足元の日本株が非常に強いこともあり、植田総裁がこのことについてどういった見解を持っているかが注目される。ただ、総裁会見は金曜引け後で来週は消化できない。結果、中央銀行絡みのニュースに振らされはするものの、強弱感が定まりづらく、週間では大きな動きが出てこないと予想する。