NY株見通し-今週はインフレ指標と金融政策に注目

 今週のNY市場はインフレ指標と金融政策に注目。先週は主要3指数がそろって上昇。カナダ中銀のサプライズ利上げを受けて米国でも金融引き締めの長期化が懸念されハイテク株を中心に利益確定売りが強まる場面もあったが、週後半は金融引き締めへの警戒感が和らぐ中、テクニカルやセンチメントの改善を受けて買い直された。ダウ平均は週間で0.34%高と2週続伸し、S&P500は0.39%高と4週続伸。ナスダック総合は0.14%高と小幅ながら7週続伸し、2019年11月以来の長期連騰を記録した。S&P500は昨年10月安値からの上昇率が20%を超え「強気相場」入り。9日には一時、4322.62ポイントと節目の4300ポイントを上回り、2022年8月以来の水準を回復した。

 今週は13-14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるか否かや、その後の金融政策の見通しが焦点となる。CMEのフェド・ウォッチでは70%の確率で政策金利の据え置きが予想されているが、7月FOMCでは70%の確率で利上げが再開されると予想されており、政策見通しを巡り、FOMCメンバーの金利見通し(ドットプロット)や、FOMC結果公表後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見に注目が集まる。米経済指標はFOMC結果公表前の13日に発表される5月消費者物価指数(CPI)や14日発表の5月生産者物価指数(PPI)が注目されるほか、15日の5月小売売上高、16日の6月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値にも要注目か。企業決算は数は少ないものの、12日にオラクル、14日にレナー、15日にクローガー、アドビなどの注目企業が発表予定。

 今晩の米経済指標は5月財政収支など。企業決算は引け後にオラクルが発表予定。(執筆:6月12日、14:00)
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