NY株見通しー今週はナイキなどの決算や物価指標に注目

 今週のNY市場は上値の重い展開か。先週はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて利上げ継続への警戒感が強まったほか、米6月S&Pグローバル製造業PMI速報値が予想以上に悪化したことで景気後退(リセッション)懸念が強まったことも相場の重しとなり主要3指数がそろって下落した。ダウ平均は週間で571.69ドル安(-1.67%)と4週ぶりに反落し、前週に2022年4月以来の高値水準を回復したS&P500とナスダック総合もそれぞれ1.39%安、1.44%安となり、S&P500が6週ぶり、ナスダック総合は9週ぶりに反落した。S&P500の11セクターはヘルスケア(+0.24%)を除く10セクターが週間で下落。不動産が4.03%安、エネルギーが3.45%安となり、公益、IT、金融が2%超の下落となった。

 今週はナイキなどの決算や物価指標に注目する展開か。足もとで上昇が続いた米国株は、先週はパウエルFRB議長のタカ派的発言やリセッション懸念の高まりなどを受けて反落。S&P500は前週末16日に中期トレンドラインの100日移動平均線からの上方かい離が2月以来となる8%近くまで拡大したが、先週末はかい離率が5.6%に縮小した。今週も早期利上げ打ち止め期待の後退やリセッション懸念を背景にスピード調整の継続が予想され、上値の重い展開か。決算発表は数は少ないものの、火曜日にウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、水曜日にマイクロン・テクノロジー、木曜日にナイキが発表予定で、決算やガイダンスに注目が集まる。経済指標は、FRBがインフレ指標として注目する5月個人消費支出 (PCE) 価格指数が金曜日に発表される。変動が大きい食品、エネルギーを除くコアPCE 価格指数は前月比+0.4%、前年比+4.7%とともに4月分から横ばいが予想されている。このほか、6月新築住宅販売件数、6月消費者信頼感指数、1-3月期GDP確報値なども発表されるほか、パウエルFRB議長やボスティック米アトランタ連銀総裁の発言にも要注目か。

 今晩の米経済指標は6月ダラス連銀製造業景況指数など。企業決算は寄り前にカーニバルが発表予定。(執筆:6月26日、14:00)

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