欧州マーケットダイジェスト・27日 株高・金利上昇・円安・ユーロ高

(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.97円(27日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.82円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0962ドル(△0.0045ドル)
FTSE100種総合株価指数:7461.46(前営業日比△7.88)
ドイツ株式指数(DAX):15846.86(△33.80)
10年物英国債利回り:4.375%(△0.074%)
10年物独国債利回り:2.356%(△0.047%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「ターミナルレート(利上げの最終到達点)に到達した兆候はない」「ユーロ圏のインフレは高すぎる」などと発言すると、ECBの利上げ継続観測が改めて意識されてユーロ買い・ドル売りが優勢となった。シムカス・リトアニア中銀総裁が「利上げサイクルはまだ終わっていない」と述べたことも相場の支援材料となり、一時1.0977ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、22日の高値1.1012ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。23時発表の6月米消費者信頼感指数や5月米新築住宅販売件数、6月米リッチモンド連銀製造業景気指数が軒並み予想を上回ったことも相場の重しとなり、一時1.0942ドル付近まで下押しした。

・ドル円は底堅い動き。欧州市場序盤に143.94円まで上昇した反動で、NY市場に入ると利食い売りなどが先行。米10年債利回りが3.69%台まで低下したことも相場の重しとなり、22時30分過ぎには143.30円付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値143.29円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことが分かると、米10年債利回りの上昇とともに円売り・ドル買いが活発化した。24時過ぎには144.17円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。

・ユーロ円はしっかり。大規模な金融緩和を維持する日銀と、利上げ継続方針を示すECBとの金融政策の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが進んだ。欧米株価が反発したことも投資家心理の改善につながり、相場の追い風となった。0時30分前には一時157.88円と2008年9月以来約15年ぶりの高値を付けた。

・ロンドン株式相場は7日ぶりに小反発。上海株や香港株の上昇を受けて買いが先行したものの、金融引き締め長期化への警戒が相場の重荷となり上値は限られた。ボーダフォン・グループやインフォルマなどが買われたほか、SSEやナショナル・グリッドなどが値上がりした。半面、原油安を背景にBPやシェルなどが売られた。

・フランクフルト株式相場は7日ぶりに反発。本日の中国株や米国株の上昇を受けて買いが優勢となった。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではザランド(2.39%高)やシーメンス・エナジー(2.30%高)、コメルツ銀行(2.13%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBの利上げ長期化観測が強まり、独国債に売りが出た。

(中村)
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