ロンドン為替見通し=FRB議長発言や月末・期待フローでの上下想定、インフレ指標にも注意

 ロンドンタイムは、スペイン中銀主催イベントでパネル討議に参加するパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言への時間外取引の米10年債利回りの反応が欧州通貨の方向性も左右しやすいだろう。昨日、パウエル議長は7月・9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での「連続利上げの可能性を選択肢から排除せず」とタカ派な見解を述べていた。

 ただ、昨日の欧州中央銀行(ECB)フォーラムのパネル討議にパウエル氏とともに参加していたラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「現時点では利上げ休止は考えていない」として、イングランド銀行(BOE)のベイリー総裁も「データはインフレが持続する兆しを示唆」と、ともにタカ派姿勢を維持。仮に本日ドル買い・欧州通貨売りが先行しても、欧・英のタカ派発言が目立つ局面で巻き戻しは入りそうだ。

 昨日は月末・四半期末が近づく中のロンドン・フィキシングに絡む対ドルでの売りも欧州通貨を重くした。月替わりまで不安定な推移になりやすかもしれないが、こちらも月末・四半期末の為替手当てが一段落すれば、フローに追随して安値を売り込んだり高値を掴んだりしたオーバーシュート気味の動きが巻き返されることが考えられる。

 これらの要因で荒っぽく上下するリスクはあるものの、すかさず反動が出る展開も想定して臨みたい。NY勢が動き始めかけるタイミングの日本時間21時発表の6月独消費者物価指数(CPI)速報値も、各国中銀が神経をとがらせるインフレ動向を判断する上で大事な材料の1つ。前回5月分より伸び率が多少回復することが期待されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル:22日高値1.1012ドル。
・ポンドドル:日足一目均衡表・転換線1.2722ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:週足一目均衡表・基準線1.0790ドル。
・ポンドドル:5月25日から6月16日の上昇幅の61.8%押し1.2514ドル。

(関口)
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