株式明日の戦略-7月は幸先の良いスタート、上昇基調継続への期待が高まる

 7月に入り3日の日経平均は大幅反発。終値は564円高の33753円。先週末の米国株は、経済指標からインフレに対する過度な警戒が和らいで大幅高。これに加えて、寄り前に発表された6月日銀短観で景況感の改善が確認できたことから、300円超上昇して始まった。33500円台からスタートし、前場のうちに上げ幅を500円超に広げて33700円台に到達。米国でハイテク株が強く買われたことから、大型半導体株の動きの良さが目立った。後場は上昇ペースが鈍ったものの、高値圏でのもみ合いが継続。6月19日の取引時間中につけた直近高値33772円(6/19)は超えられずに足踏みした。しかし、33700円台はキープし、年初来高値(終値)を更新して取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4000億円。業種別では全業種が上昇しており、機械、電気機器、海運などが大幅上昇。一方、空運、パルプ・紙、陸運などはやや見劣りする上昇となった。1Q決算が好感されたピックルスホールディングス<2935.T>が急伸。半面、通期の利益見通しを引き下げたバイク王&カンパニー<3377.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1499/値下がり292。アドバンテスト、ソシオネクスト、レーザーテックなど半導体株が軒並み大幅上昇。ダイキンが6%を超える上昇で上場来高値を更新した。バリュー系の主力どころも強く、川崎汽船など海運株や、三菱商事など商社株が買いを集めた。上方修正を発表したダイセキ環境が一時ストップ高となるなど急騰。テレビ東京系「ガイアの夜明け」で大きく取り上げられたバイオベンチャーのクオリプスがストップ高と、材料のあった銘柄には短期資金が殺到した。

 半面、WTOKYOがストップ安、ブリッジコンが一時ストップ安となり、クラダシが急落するなど、直近IPO銘柄には派手に下げるものも散見された。総じて大型株の買い安心感が強まった1日で、カバーは買い先行から失速して3%を超える下落となった。スクエニ、コーエーテクモ、ブシロードなどゲーム株が全般軟調。上期が減収減益となったスターマイカが大幅安となった。

 日経平均は大幅高。6月の最終週にチャートの節目を意識して下げ止まったかと思えば、7月の最初の営業日に年初来高値を更新した。ローソク足では陽線を形成して値上がり銘柄も非常に多く、幸先の良いスタートとなった。

 米国は火曜4日が独立記念日により休場で、本日3日も短縮取引となる。短縮でも値幅が大きく出れば日本株も動いた方向に振れることになると思われるが、今晩の米国株が小動きであった場合などは、4日、5日の東京市場は手がかり難となる。直近では、6月19日の米国が休場であった際に、19日の日経平均が16日の米国株の下落に対して大きく下に反応した。日本株の水準が切り上がっている分、海外投資家の参戦が期待しづらい日は利益確定の動きが出やすくなるかもしれない。

 それだけに、きょう力強い上昇が見られたことは大きい。売り急ぎを抑制する効果が期待できる上に、この先、仮に大きめの下落となった場合でも、5日線(33181円、3日時点)より上で推移できていれば、チャートの形状は悪化しない。4日や5日は大きく上がる必要はなく、下げたとしても落ち着いた値動きとなるかに注目しておきたい。
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