株式明日の戦略-終日軟調も5日線近辺では下げ止まる、ここからの下値は限定的か

 4日の日経平均は大幅反落。終値は330円安の33422円。米国株は小幅に上昇したが、これを受けても寄り付きから200円を超える下落。弱いスタートとなったことで、その後も売りが続いた。しばらく心理的節目の33500円近辺で揉んだ後、下げ幅を400円超に広げて33300円台まで下落。ただ、テクニカルの節目である5日線に接近したところでは下げ渋った。11時辺りから後場のスタートにかけては、戻りを試す動きが見られた。しかし、33500円近辺では売り直され、終盤にかけては下げ幅を拡大。300円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆3900億円。業種別では銀行、保険、海運などが上昇した一方、医薬品、パルプ・紙、ゴム製品などが下落した。米国で金融株に強い動きが見られたことや、証券会社の目標株価引き上げを材料に、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほFG<8411.T>など銀行株が大幅上昇。反面、ダイキン<6367.T>やキーエンス<6861.T>など値がさ株の一角が大きめの下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり616/値下がり1152。川崎汽船など海運株が上昇。最近、海運株は全体の地合いが良くない時に買われることが多くなっている。金融株が全般強く、メガバンクの上昇に刺激されて、東京きらぼしFG、富山第一銀、西日本FGなど地銀株が急伸。T&Dや第一生命など保険株にも買いが入った。決算を材料にネクステージがストップ高まで買い進まれ、IDOMやグッドスピードなど同業にも買いが波及。上方修正を発表した象印マホービンが年初来高値を更新した。

 半面、治験の結果が失望を誘った第一三共が14.8%安と急落。アステラスや中外製薬など同業にも警戒売りが広がった。月次の内容が嫌気されたワークマンが年初来安値を更新。西松屋チェーンやしまむらなど、小売専門店の一角が弱かった。東証が上場廃止を決定したDDSがストップ安比例配分となった。

 本日、グロース市場に新規上場したAeroEdge(エアロエッジ)は、買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 3日の米国株は小幅ながら上昇。しかし、これを受けた日経平均は大幅安となった。きのうの同欄で、直近の米株休場日の6月19日が弱かったことを指摘したが、この日と似たような動きになった。今は日本株の動きの良さが目立っている分、米株が休場で海外投資家の参戦が期待しづらい日には、利益確定売りが出やすくなっている。

 あすも基本的には材料難が予想される。指数は弱いながらも5日線(33358円、4日時点)近辺で下げ止まった格好となっており、個別を見ても、急落した第一三共を除いては、著しく弱かった銘柄が多いわけではない。33189.04円を下回ってしまうと7月3日の上昇分をすべて吐き出すことになるが、そこまで売り込む理由は乏しく、下値は堅いと考える。物色では金融株に強い動きが見られており、メガバンク3行がそろって年初来高値を更新した。米国では5日に6月開催のFOMC議事録が公表される。会合の内容がタカ派的と受け止められれば、7月FOMC(7/25~26)辺りまで金融株に流れが向く展開も想定される。
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