ロンドン為替見通し=ECB高官の発言でターミナルレートを見極める展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、複数の欧州中央銀行(ECB)高官の発言からターミナルレート(利上げの最終到達点)を見極める展開が予想される。

 7月27日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、0.25%の追加利上げはほぼ既定路線となっているが、ユーロ圏がリセッション(景気後退)に陥っていることで、ターミナルレートの見解に関して、ハト派とタカ派の間での相違が顕著となりつつある。

 本日は、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、バスレ・スロベニア中銀総裁、エルダーソンECB専務理事、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁らが、講演やパネルディスカッションに参加するため、ブラックアウト期間前に、それぞれの見解を確認することになる。

 ユーロ圏の6月の消費者物価指数(HICP)は、前年比+5.5%と発表されており、4月の同比+7.0%、5月の同比+6.1%から伸び率が鈍化傾向にあるため、先週のビスコ伊中銀総裁のように「ターミナルレートにほぼ到達している」とのハト派的な見解がやや優勢となりつつある。

 ポンドドルは、ウォレス英国防相が辞任を発表したこと、20日に予定されている3つの補欠選挙での与党保守党の敗北見通しという政治的な売り材料の影響を見極めることになる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1313ドル(2022/2/24高値)
・ユーロ円:157.72円(7/5高値)
・ポンドドル:1.3142ドル(7/14高値)
・ポンド円:182.29円(7/14高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1129ドル(7/13安値)
・ユーロ円:153.84円(日足一目均衡表・基準線)
・ポンドドル:1.2908ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円: 180.21円(7/14安値)



(山下)
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