ロンドン為替見通し=タカ派のECB高官の講演に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、米4月消費者物価指数(CPI)の発表を待つ中で、タカ派の欧州中央銀行(ECB)高官の講演を見極める展開が予想される。

 ユーロドルは、ECBの利上げ継続を背景に1.1095ドルまで上昇してきたが、1.1000ドル台ではNYカットオプションが続伸を阻み、1.09ドル台に反落している。
 明日11日のNYカットオプションが1.0950ドルと1.0985ドルに控えており、値動きを抑制する可能性には留意しておきたい。

 昨日は、タカ派のECB政策委員会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、カジミール・スロバキア中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁が、一段の政策引き締めが必要だと主張したものの、ターミナルレート(利上げの最終到達点)は9月に3.70%と変わらずだった。

 本日もタカ派のECB高官の講演が予定されており、要注目か。
 ミュラー・エストニア中銀総裁は、先日、「物価上昇率が合理的な期間のうちに安定して2%付近へ低下すると確信できるまで、金利は上昇する必要がある」と述べている。
 センテノ・ポルトガル中銀総裁も、「利上げペースの減速を正当化するためには、インフレ見通しがECB目標の2%付近へと向かう必要がある」と述べていた。

 4月の米CPIは、前年比+5.0%と予想されており、3月の前年比+5.0%と変わらずと見込まれており、予想を下回り利上げ休止観測が高まるのか、それとも、予想を上回って、利上げ観測が台頭するのか要注目となる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1016ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:149.27円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0794ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:147.08円(日足一目均衡表・基準線)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。