ロンドン為替見通し=3月ユーロ圏インフレ鈍化に対するECB高官の見解に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が前年比+6.9%まで伸び率が鈍化したことに対するECB高官の見解に注目する展開が予想される。

 3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+6.9%と発表され、2月の前年比+8.5%からの伸び率鈍化が確認されたものの、コアインフレ率は前年比+5.7%上昇して、過去最高を更新していた。
 0.50%の利上げを決定した欧州中央銀行(ECB)理事会では、今後の金利の軌道を示唆する文言「フォワードガイダンス」は取り除かれ、高水準の不確実性が、政策金利決定におけるデータ依存のアプローチの重要性をさらに高める、と表明された。

 本日講演が予定されているシムカス・リトアニア中銀総裁は、先週、金融安定が重要な要素だとしながらも、ユーロシステムの銀行はスイスや米国とは異なる地域だとして、追加利上げに前向きな姿勢を示していた。ブイチッチ・クロアチア中銀総裁も、ECBは物価上昇圧力が続く限り、金融引き締めを継続しなければならない、と述べていた。
 3月の総合指数の鈍化とコア指数の上昇を受けて、両者のタカ派的な見解に変化がみられるのか要注目となる。

 また、3月の独・仏・ユーロ圏・英の製造業PMI改定値が発表されるため、インフレ率の伸び率鈍化を受けて、下方修正された場合には警戒しておきたい。

 スイス国立銀行(SNB)は3月23日に政策金利を1.5%まで引き上げたが、中長期的な物価安定を目指して追加的な引き上げが行われる可能性を否定できない、と表明していた。
 本日発表される3月スイス消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と予想されており、2月の前月比+0.7%からの伸び率鈍化が見込まれており、スイス国立銀行(SNB)高官の見解に注目しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0930ドル(3/23高値)
・ユーロ円:145.67円(3/31高値)
・スイスフラン円:146.10円(3/31高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0711ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:142.70円(日足一目均衡表・雲の下限)
・スイスフラン円:143.47円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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