ロンドン為替見通し=複数のECB高官の講演に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、3月仏企業景況感指数を見極めた後、複数のECB高官の講演に注目する展開が予想される。

 昨日発表された独3月Ifo景況感指数は、予想を上回る93.3と発表され、低調だった3月の独ZEW景況指数やユーロ圏消費者信頼感指数に反して、景況感の改善が示された。
 16日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、0.50%の利上げが決定され、声明文からは、今後の金利の軌道を示唆する文言「フォワードガイダンス」が取り除かれ、金融政策の判断基準に、経済や金融データに基づくインフレ見通しが挙げられた。今年のドイツ経済がマイナス成長に陥ると予想しているIfo経済研究所の調査結果の改善は、タカ派のナーゲル独連銀総裁にとって援軍となった。

 14日にデギンドスECB副総裁が欧州連合(EU)財務担当相に対して、「域内の一部の銀行は金利上昇に対して脆弱な恐れがある」と報告していた。先週末はドイツ銀行の株価が一時15%下落していたが、昨日は、欧米の金融システム不安への警戒感が後退して、株価指数は反発している。

 本日は、レーン・フィンランド中銀総裁、ミュラー・エストニア中銀総裁、バスレ・スロベニア中銀総裁、ラガルドECB総裁、ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁の講演が予定されており、金融市場の動揺とインフレ抑制に向けた利上げに関する見解に注目することになる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0930ドル(3/23高値)
・ユーロ円:143.20円(3/23高値)


想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0741ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:140.41円(3/27安値)


(山下)
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