ロンドン為替見通し=タカ派ECB高官の講演に要注目、経済指標はユーロ圏小売売上高

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、タカ派とされる欧州中央銀行(ECB)高官の講演内容に注目し、午後発表の4月米雇用統計を待つ展開となる。

 昨日のECB理事会では、予想通りに政策金利が0.25%引き上げられたものの、何人かのタカ派メンバーが0.5%の利上げを主張したと報じられた。ECBは、タカ派メンバーへの譲歩として、資産購入プログラム(APP)で購入した債券の満期償還金再投資を7月に停止する方針を示した。

 本日は、利上げ幅拡大を求めたと思われるシムカス・リトアニア中銀総裁とエルダーソンECB専務理事の講演が欧州前半に予定されている。なおリトアニア中銀総裁は先日、銀行部門の混乱が続く中でもECBはインフレ抑制のために利上げを継続する必要がある、と述べていた。

 経済指標では3月ユーロ圏小売売上高が発表予定。前月比は▲0.1%と前回からマイナス幅が縮小も、前年比▲3.1%と前回から悪化見込み。ラガルドECB総裁も昨日の会見で、「既に進行中の価格圧力が、目先の小売価格を予想以上に押し上げる可能性」に言及していた。

 本日の小売売上高で、物価上昇を受けて消費が減少していることが確認された場合、景気減速への警戒感が高まりユーロ売り要因となるか。もっとも3月の指標でもあり、大きく下振れ無い限り下落圧力はそれほど強まらなさそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1095ドル(4/26高値)
・ユーロ円:148.95円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0942ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:147.08円(日足一目均衡表・基準線)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。