ロンドン為替見通し=経済指標を見極めた後、タカ派のECB高官の講演に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、独・仏・ユーロ圏の経済指標を見極めた後、タカ派のブイチッチ・クロアチア中銀総裁とバスレ・スロベニア中銀総裁の講演に注目する展開が予想される。

 経済指標は、2月独製造業新規受注(予想:前月比+0.3%/前年同月比▲9.3%)、2月仏鉱工業生産(予想:前月比+0.5%)、3月仏サービス部門PMI改定値(予想:55.5)、3月独サービス部門PMI改定値(予想:53.9)、3月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:55.6)などが発表されるが、予想通りならば、市場への影響は無いと思われる。

 3月のユーロ圏の消費者物価指数は、総合が前年比+6.9%へ低下していたものの、コアが前年比+5.7%と過去最高を更新していた。欧州中央銀行(ECB)は、コア指数を重視すると宣言しており、タカ派のECB高官からは5月の欧州中央銀行(ECB)理事会での0.50%の利上げ主張が予想される。
 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁は、先日「物価上昇圧力が続く限り、金融引き締めを継続しなければならない」と述べ、バスレ・スロベニア中銀総裁も「インフレ率は依然として高く、さらなる利上げが必要」と述べていた。

 一方、シムカス・リトアニア中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁らは、利上げサイクルの終了が近い可能性を示唆していた。
 しかし、OPECプラスによるサプライズ減産で原油価格が再び上昇基調を辿りつつあることで、5月2日に公表予定の4月のユーロ圏HICPを確認するまでは、利上げ路線の継続がメインシナリオとなるのかもしれない。

 23時に予定されているレーンECB専務理事兼主任エコノミストの講演でも、先日の発言「ユーロ圏銀行セクターの最近の混乱は収束に向かう公算で、ECBはインフレ抑制に向け利上げを継続する必要がある」に沿った見解が予想される。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1033ドル(2/2高値)
・ユーロ円:145.43円(4/4高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0843ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:143.16円(日足一目均衡表・雲の上限)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。