ロンドン為替見通し=インフレ指標やECB高官発言を注視、タカ・ハト見解の変調に留意

 ロンドンタイムは、欧州経済指標や欧州中央銀行(ECB)高官発言に対する欧州通貨の反応に注目したい。昨日は弱い5月独ZEW景況感指数がユーロの上値を重くした。

 本日は、ECBが注目するインフレ指標・ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の4月分が発表となる。改定値だが、インフレの高止まりに神経質になっているECBや市場が、修正内容に敏感に反応する可能性もあるため注意したい。

 ECB高官ではまず、4日の理事会で0.25%の利上げを決定して以降も「インフレは高すぎるため、押し下げる必要」「インフレ見通しが合致すれば、利上げすべき」と、データ次第としながらもタカ派寄りの発言をしていたエルダーソ専務理事が発言する予定。

 センテノ・ポルトガル中銀総裁やデギンドスECB副総裁の発言にも注目。センテノ総裁は「政策金利はピーク後もしばらく高止まりするだろう」としつつも、「2024年中には金利が下がり始めるはず」と述べていた。デギンドス副総裁は「追加利上げの可能性がある」とした一方、データ次第であり信用状況が影響するとの見解を示していている。

 昨日ZEWの指数悪化が示したように、ユーロを取り巻く環境に弱さが目立ち始めてきた。こうしたなかで、ECB高官発言で、タカ派な部分よりハト派な部分が意識されやすくなる展開を警戒したい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0971ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・雲の下限1.0775ドル。

(関口)
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