ロンドン為替見通し=ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁の講演に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ブラックアウト期間前のハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁の講演を見極める展開が予想される。

 ビルロワドガロー仏中銀総裁は、先日、欧州中央銀行(ECB)の利上げは終了に近いが、これまでの利上げが十分に経済に影響を与えるのを確実にするため金利を「高原」で維持するだろう、と述べていた。そして、インフレ率が2025年までに2%の目標に向けて押し下げられるだろう、と述べ、フランスではインフレ率が今年に入って記録した7%超から5.3%まで鈍化し、既にピークを過ぎていると述べていた。
 ユーロ圏の6月の消費者物価指数(HICP)は、前年比+5.5%と発表されており、4月の同比+7.0%、5月の同比+6.1%から伸び率が鈍化傾向にある。

 ビスコ伊中銀総裁も、先週、「ターミナルレートにほぼ到達している」とハト派的な見解を表明しており、ビルロワドガロー仏中銀総裁の講演では、ターミナルレート(利上げの最終到達点)への言及に注目しておきたい。

 しかし、7月27日のECB理事会では、ラガルドECB総裁が「ベースラインに重大な変化がない限り、7月も利上げを継続する可能性が極めて高い。利上げの一時停止は検討していない」と述べているように、0.25%の追加利上げは既定路線となっている。

 ユーロドルの下値は、14日と17日の安値が1.1204ドルまでだったように、限定的となっており、27日のECB理事会に向けて上昇トレンドの継続が予想されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1313ドル(2022/2/24高値)
・ユーロ円:157.12円(7/6高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1129ドル(7/13安値)
・ユーロ円:154.02円(日足一目均衡表・基準線)


(山下)
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