NY為替見通し=嵐の前の静けさで動きにくい、PMIと明日の決算控えた米株動向には注目

 本日のドル円は嵐の前の静けさとなり、141円台で方向感のない値動きになるか。今週は日・米・欧州がそれぞれ政策金利を発表することで、市場はその結果を確かめるまでは、積極的にポジションを仕込みにくいだろう。

 時系列では米連邦公開市場委員会(FOMC)が25-26日に開かれ、日本時間の27日早朝3時に結果発表。27日には欧州中央銀行(ECB)理事会が、日本時間21時15分に発表。そして27-28日に行われる日銀政策決定会合の発表時間は未定だが、通常は28日正午前後に発表される。結果だけでなく、その後の各中銀総裁の記者会見までは予断が許さない状況になる。

 米連邦準備理事会(FRB)やECBはすでに先週からブラックアウト期間だったが、ブラックアウト期間が僅か会合開始日の2営業日前からはじまる日銀も明日から開始されることで、この後に日銀関係者からの金融政策についての発言等も伝わらないことも方向感をつけにくいだろう。

 このような状況下の中で迎えるNY市場だが、7月の各業種購買担当者景気指数(PMI)速報値には注目しておきたい。6月PMIは製造業が市場予想を下回り、サービス業は僅かに上回った。通常市場は製造業への結果に反応が敏感になるが、先月は前日にパウエルFRB議長が議会での証言で「今年あと2回の利上げが適切となるだろう」と述べていたことで、市場のドル買いトレンドが強く、指標発表後にドル円は底堅い動きになった。しかし、本日は市場のセンチメントが前月のような状況下ではないことで、製造業の結果に素直に反応することになりそうだ。市場予想は景況の強弱を判断する節目50を下回る46.1予想となっていること。市場予想を上回っても50を超えてこない限りは大きくドル買いには傾けにくく、ドイツのように大幅悪化傾向を辿った場合のドル売りには要警戒か。

 また、材料難だが米株式市場の値動きには目を向けておきたい。ダウ平均が先週末は5年11カ月ぶりとなる10日連騰となった。明日25日はマイクロソフト、アルファベット、ゼネラル・エレクトリック、ゼネラル・モーターズ、ベライゾン、3M、ビザなどが相次いで、四半期決算を発表することで、決算発表前の調整なども入りやすいか。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、先週末21日高値141.96円から節目の142.00円。その上はかなり離れているが10日高値143.01円を意識するか。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、日足一目均衡表・基準線141.16円が最初の支え。割り込めば、先週末21日に日銀に関する報道がでて上昇する起点となった140.25-30円。

(松井)
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