株式明日の戦略-後場に戻して小幅安、あすも方向感は出づらいか

 25日の日経平均は小幅反落。終値は18円安の32682円。米国株は上昇したが、これを受けても寄り付きは一桁の上昇。すぐにマイナス圏に沈むと下げ幅を3桁に広げた。ただ、値上がり銘柄は多く、32500円台に突入すると持ち直す動きが見られたことから、次第に100円程度下げた32600円近辺でこう着感が強まった。後場に入ると下を試しに行く場面があったが、安値は32509円までで32500円は割り込まなかった。深押しした分、その後の戻りには弾みがつき、終盤にかけては急速に下げ幅を縮小。プラス圏には届かなかったものの、大引けが後場の高値となった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆0800億円。業種別では鉱業、非鉄金属、石油・石炭などが上昇しており、情報・通信、保険、その他製品などが下落した。決算が好感されて前日に大幅高となった三菱自動車<7211.T>に追随買いが入っており、7%を超える上昇。日産自動車<7201.T>も6%を超える上昇と、自動車株の動きの良さが目立った。半面、傘下の損害保険ジャパンが、保険金不正請求が問題となっているビッグモーター社に多数の出向者を出していたと報じられたSOMPOホールディングス<8630.T>が商いを伴って下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1075/値下がり685。上方修正と増配を発表したレーザーテックが、高寄り後は失速したものの上昇。半導体株に対する過度な警戒が和らぎ、ソシオネクストが6.3%高と急伸した。野村HD、丸三証券、光世証券など証券株が軒並み高。1Q決算速報値で好内容が確認できた日本証券金融が5%を超える上昇となった。原油高を受けてINPEXが買いを集めたほか、大阪チタニウムと東邦チタニウムのチタン2社が大幅高となるなど、市況関連の一角に強い動きが見られた。

 一方、直近で強く買われたニデックが3%を超える下落。政府の保有株売却観測が出てきたNTTが、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。ファーストリテイリング、ソフトバンクG、東京エレクトロン、キーエンス、ソニーGなど、主力のグロース株が軟調。トライト、ナレルG、Globeeなど直近上場株に大きく売られるものが散見された。下方修正を発表した小野測器が11.1%安と急落した。

 日経平均は終わってみれば小幅安。225構成銘柄のグロース株が弱かったが、プライムでは値上がり銘柄が多く、TOPIXはプラスで終えた。FOMC前かつ、先に決算発表も多く控える中では積極的に売り買いできる銘柄が少なく、その分、動きのある銘柄には短気資金が集中する。そして全体では方向感が定まりづらくなる。FOMCの結果を東京市場で消化するのは木曜27日で、国内ではあす引け後にアドバンテストの決算発表が控えている。そのため、あすもきょうと似たような地合いが想定される。米国では本日、アルファベットやマイクロソフトが決算発表を予定している。国内グロース株はこれらの決算の影響を受けやすく、あすプラスとなるかマイナスとなるかはグロース株がカギを握ることになるだろう。
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