株式明日の戦略-3桁上昇もつかみどころのない1日、米国の経済指標に要注目

 18日の日経平均は反発。終値は102円高の32493円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1300/値下がり478。米国で金融株に強い動きが見られたことから、メガバンクの三菱UFJ、三井住友、みずほFGがそろって大幅上昇。ソニーGやルネサスなどハイテク系の一角にも買いが入った。1:2の株式分割を発表したANYCOLORが4%台の上昇。決算が好感されたジンズHD、チヨダ、ハブなどが急伸した。上方修正を発表したDDグループや、1Q売上高の伸長が好感されたベースフードは、場中は値が付かずストップ高比例配分となった。

 半面、指数への寄与度が大きいファーストリテイリングとソフトバンクGが逆行安。ソシオネクストが上昇スタートから失速して2%を超える下落となった。原油安を受けてINPEX、ENEOS、出光興産などが軟調。ディップ、北の達人、IDOMなどが決算を受けて大きく値を崩した。下方修正を発表したGRCSは直近で強く買われていたこともあって失望売りが強めに出て、ストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は終わってみれば3桁の上昇。ただ、つかみどころのない1日となった。300円超上昇したところから下げにまで転じており、上値の重さは強く印象づけられた。しかし、終盤の動きは良く、ローソク足では十字に近いながらも陽線を形成した。安値(32338円)でも5日線(32290円、18日時点)は割り込んでおらず、テクニカルの節目はサポートとして意識された。また、プライムでは値上がり銘柄が圧倒的に多く、指数の失速を受けても個別ではネガティブな反応が限られた。

 日本株は米国株に連動しきれてはいないが、米国株が堅調であることは強い下支えになっている。その一方で、円高進行への警戒もくすぶり続けている。本日の米国では、6月の小売売上高や鉱工業生産の発表があり、米国株やドル円がこれらにどういった反応を見せるかが注目される。物価指標ではないため、中身が良ければ米国株の上昇要因かつ、ドル高(円安)材料にもなることが期待される。一方、中身が悪ければ米国株安とドル安(円高)で、日本株はダブルパンチに見舞われる懸念がある。今は下値を固めておきたい時期。日経平均は5日線(32290円)や12日の安値31791円を下回ることなく推移できるかに注目したい。
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