株式明日の戦略-米金利低下を好感して大幅高、円高に対する警戒は和らぐか

 13日の日経平均は大幅反発。終値は475円高の32419円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1089/値下がり668。レーザーテック、ソシオネクスト、アドバンテスト、ルネサスなど半導体株が大幅高。ソニーGが証券会社の投資判断引き上げや日経新聞の特集記事を材料に4%超上昇した。リクルートHDは証券会社の目標株価引き上げを受けて6%を超える上昇。Sansanやフリーなどグロース系の銘柄の値動きが良かった。業績関連ではサイゼリヤ、三協立山、寿スピリッツなどが急伸。株主還元に関するリリースが好感されたタナベコンサルが値を飛ばした。

 半面、米金利の低下を受けて三菱UFJが下落。円高が続いたことで三菱自やSUBARUなど自動車株は売られるものが多かった。ABCマート、コメダ、吉野家など小売で決算を発表した銘柄では、決算前に買われていた分、決算後の反応が弱いものが散見された。トレジャーファクトリーは上期見通しの引き上げや中間増配を発表したものの、17.5%安と厳しい下げになった。一方で決算内容が悪いものもたたき売られており、1Qが大幅経常減益のイオンファンタジーが急落。下方修正を発表したチームスピリットがストップ安となった。

 日経平均は400円を超える上昇。きょうの大幅高は日本株が世界の中で孤立するのを回避したという点で意味がある。意外高にも見えるが、きのうまでは円高に対する警戒が非常に強く、これに対する修正が入ったということ。米国では6月のCPIを受けて10年債利回りが急低下した。これでもう長期金利は上がらないと考えるのは早計だが、7月FOMC(25~26日)の前に10年債利回りが4%を大きく上回る可能性は低下した。この点は、グローバル株式市場を見る上では安心材料となる。

 米国の長期金利が一段と低下した場合には、まだ円高は進む可能性がある。7月の日銀会合(27~28日)で政策修正があるとの思惑が円高を誘っているとの見方もあり、日銀会合を通過するまでは為替は神経質な動きが続くかもしれない。とは言え、日本株は円高局面でも買える銘柄は多くある。内需系の銘柄がそれに該当し、加えて、米国の長期金利が落ち着くのであれば、グロース株にも見直し余地が出てくる。5月や6月の日本株の上昇局面では外部環境の変化に合わせてその時々で強く買われる銘柄があった。きょうの大幅高をきっかけに、アグレッシブな動きが戻ってくるかが注目される。
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