欧州マーケットダイジェスト・27日 株高・ユーロ安・円高

*一部表記を訂正しました。

(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=139.47円(27日15時時点比▲0.71円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=153.39円(▲2.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0998ドル(▲0.0090ドル)
FTSE100種総合株価指数:7692.76(前営業日比△15.87)
ドイツ株式指数(DAX):16406.03(△274.57)
10年物英国債利回り:4.310%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.474%(▲0.011%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
8月独消費者信頼感指数(Gfk調査)   ▲24.4     ▲25.2・改
欧州中央銀行(ECB)、政策金利   4.25%に引き上げ   4.00%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り0.25%の利上げを決めたと発表。声明では「金利はインフレ率を2%の中期目標に適時に戻すために必要な限り、十分に制限的な水準に設定されることになる」と表明し、「金利を十分に景気抑制的な水準にすることを確実にする」とした前回と異なり、次回会合での追加利上げを示唆しなかった。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で、9月以降の金融政策方針について「金利据え置きもあり得る」と述べ、データ次第の姿勢を強調した。ECBの明確な利上げ継続方針が示されなかったことから、全般ユーロ売りが先行した。
 さらに、4-6月期米国内総生産(GDP)速報値や前週分の米新規失業保険申請件数、6月米耐久財受注額、6月米住宅販売保留指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことが伝わると米金利が上昇。ドルを買う動きも優勢となり、24時前に一時1.0984ドルと11日以来の安値を付けた。

・ドル円は頭が重かった。良好な米経済指標が相次いだことで米景気の底堅さを意識したドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、前日の高値141.19円を上抜けると一時141.32円まで上値を伸ばした。
 ただ、日経新聞が「日銀は27-28日に開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上」と報じると一転下落した。アジア時間の安値139.38円を下抜けて一時139.21円と日通し安値を更新した。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は3万3220円の高値から3万2720円の安値まで急落した。

・ユーロ円は大幅安。ECBの利上げ継続観測が後退する中、全般ユーロ売りが先行。NY午後に入ると「日銀がYCC修正案を議論」との観測報道をきっかけに円高が進み、一時153.08円まで大きく値を下げた。

・ロンドン株式相場は小反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したうえ、香港株などアジア株相場が上昇したことを好感した買いが優勢となった。ただ、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が下げたほか、BPやシェルなどエネルギー株が売られ、相場の重しとなった。

・フランクフルト株式相場は反発。FOMCを無難に通過したうえ、香港株などアジア株相場が上昇したことを好感した買いが入った。ECBの利上げ長期化観測が後退したことも相場の支援材料。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(5.56%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(5.07%高)、ザルトリウス(4.53%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBの利上げ継続観測が後退する中、独国債に買いが入った。

(中村)
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