ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、3日続伸

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は143.34円と前営業日NY終値(142.29円)と比べて1円05銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが4.0552%前後と7月10日以来の高水準を付けたことを手掛かりに全般ドル買いが優勢となった。2時30分過ぎには一時143.55円と7月7日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
 7月米ISM製造業景況指数が46.4と予想の46.8を下回り、6月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が958.2万件と予想の961.0万件より弱い内容だったことが分かると、一時142.89円付近まで売られる場面もあったが、下押しは限定的だった。
 市場では「日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の柔軟化後も国内金利の上昇は限定的で、円を売って高金利のドルを買う動きが続いている」との声が聞かれた。

 ユーロドルは小幅続落。終値は1.0984ドルと前営業日NY終値(1.0997ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の上昇などが相場の重しとなり、22時前に一時1.0952ドルと日通し安値を更新した。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数が1.4%超下落したことも投資家のリスク志向を後退させ、ユーロ売り・ドル買いを促した。半面、米経済指標の下振れを受けて一時1.0989ドル付近まで買い戻される場面もあった。
 なお、グールズビー米シカゴ連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)は大規模な景気後退を引き起こすことなくインフレ率を低下させる軌道にある」「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における自身の判断は物価動向に左右される」と述べたほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「9月に利上げが必要になるとは思わない」「早くても2024年後半まで利下げはないだろう」などと語った。

 ユーロ円は3日続伸。終値は157.45円と前営業日NY終値(156.47円)と比べて98銭程度のユーロ高水準。日銀が金利上昇を抑制する姿勢を見せる中、日欧の金利差に改めて着目した円売り・ユーロ買いが出た。5時過ぎには一時157.49円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:142.21円 - 143.55円
ユーロドル:1.0952ドル - 1.1003ドル
ユーロ円:156.41円 - 157.49円

(中村)
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