NY為替見通し=ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の講演と3年債入札に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、ハト派のハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の講演を確認した後は、米国3債入札を見極めることになる。

 1日に格付け会社フィッチ・レーティングスが米国債を格下げ(「AAA」から「AA+」)した後、今週は1030億ドルの米国債入札が予定されている。本日は3年債(420億ドル:前回から20億ドル増額)、9日(水)に10年債(380億ドル:前回から30億ドル増額)、10日(木)に30年債(230億ドル:前回から20億ドル増額)が予定されており、入札の好不調を見極めていくことになる。

 ハト派のハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の講演では、利上げの休止に言及することが予想されているものの、10日に発表される米7月消費者物価指数が予想通りに前年比+3.3%だった場合は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が高まることで、予断を許さない状況が続くことになる。

 本日からの米国債の入札では、米国の債務残高が2025年1月まで適用が停止された債務上限の31.4兆ドルを超えて32.5兆ドルまで拡大している現状、米連邦準備理事会(FRB)のドット・プロット(金利予測分布図)が年末のFF金利誘導目標5.50-75%を示唆している現状での、好不調を見極めることになる。
 米10年債利回りはフィッチによる米国債格下げの後、一時4.20%台まで上昇し、4%台で高止まりしており、債券自警団の動向にも警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、8月3日の高値の143.89円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、日足一目均衡表・雲の上限の142.55円。


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。