NY為替見通し=5月米ニューヨーク連銀製造業「物価」指数に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、5月ニューヨーク連銀製造業「物価」指数をまずは見極めつつ、米2・10年債利回りの動向を注視していく展開が予想される。

 5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は予想-2.5と4月から悪化見込み。価格指数については前回4月が33と3月41.9から低下していた。先週末の米経済指標でもインフレ関連への反応が大きかったため、本日の指標でも5月の物価動向が要注目となりそうだ。12日に発表された5月ミシガン大学消費者信頼感指数での1年先のインフレ期待は4.5%と、4月4.6%から低下していた。

 ところで、バイデン米政権とマッカーシー下院議長(共和党)などの議会指導部による債務上限引き上げを巡る協議は、明日開催される見込み。その後バイデン米大統領は17日に米国を発ち、18日には日米首脳会談に臨み、19-21日は広島サミットに参加予定。大統領と上下両院の議員がワシントンに同時に居る時期は、6月1日の「Xデイ」までは15-17日の3日間だけとなっており、16日の協議の重要性が高まっている。もし合意に至らなかった場合には、米金融市場の反応に要警戒となる。

 イエレン米財務長官は、「債務上限が引き上げられなかった場合にどうするかは大統領と協議していない。一部の支払いのデフォルト(不履行)もやむを得ない」と述べていた。
 
  なお、トルコ大統領選の開票が続いており、現時点では大方の世論調査に反し、現大統領のエルドアン氏が共和人民党党首のクルチダルオール候補をリードしている。市場の反応はリラ売り、トルコ株売りだ。もっとも両候補とも当選に必要な50%に届いておらず、28日の決算投票に持ち込まれる可能性が高まっている。暫くは、最終的な開票ヘッドラインにも注目しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、5月3日の136.63円、その上は5月2日の高値の137.77円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、一目・転換線の135.07円。



(山下)
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