ロンドン為替見通し=独長期金利の戻り幅を確認、ノルウェー政策金利も注目

 本日のロンドン為替市場では、ユーロ圏からの経済指標は6月貿易収支のみ、金融当局者の講演なども予定されていないため、欧州株や債券市場の動きを睨みながらの取引となりそうだ。昨日低下して終えた独10年債利回りが、米長期金利の上昇につれてどの程度まで戻せるかが1つのポイント。ニューヨークからアジア市場に引き継がれた株式相場の弱さが欧州にも持ち越されるようだと、(リスク回避の債券買いから)独長期債利回りの上昇も限定されてしまうかもしれない。

 欧州通貨対豪ドルの値動きにも注目したい。東京午前に発表された豪7月雇用統計では、新規雇用者数が増加予想だったところから減少に沈んだ。前回から悪化が予想されていた失業率も、更に弱い結果となった。元々地合いが弱かった豪ドルだが、指標結果を受けて売り圧力が強まり、ユーロ豪ドルは2020年5月以来の1.70豪ドル台までユーロ安・豪ドル高が進行。一巡後は買い戻しも見られたが、雇用統計に対する欧州勢の反応はこれからであり、再び豪ドル売りが強まる可能性は残されている。

 ほかノルゲバンク(ノルウェー中銀)が政策金利を発表する。市場予想は現行3.75%から4.00%に引き上げ。同銀は前回会合で、0.25ポイント利上げ予想に反し0.50ポイント引き上げを決定した。今回は10日の7月ノルウェー消費者物価指数(CPI)が想定以上に鈍化していたこともあり、予想通りの利上げ幅で落ち着くのではないか。足もとで5.4%のインフレ率に対する今後の見通しが注目される。

想定レンジ上限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0969ドル
・ユーロ豪ドルが2022年5月高値1.7196豪ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円は10日高値14.21円

想定レンジ下限
・ユーロドルは200日移動平均線1.0789ドル
・ユーロ豪ドルは昨日高値1.6956豪ドル
・NOK円は7月28日安値13.53円



(小針)
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