ロンドン為替見通し=スイス・ノルウェー、そして英・トルコの金融政策発表

 本日のロンドンタイムでは複数の中央銀行が金融政策を発表する。為替市場は政策内容を確かめながら、かなり神経質な値動きが予想される。

 まずは、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)による金融政策決定会合の結果公表。政策金利は現行1.50%から1.75%に引き上げが見込まれている。昨年のサプライズ利上げから1年が経ち、依然として引き締めサイクルは継続中。ただし、利上げ幅は0.25ポイントとこれまでよりも縮小との予想だ。スイスでは足もとのインフレ率が前年比2.2%まで落ち着いてきており、声明で利上げ停止への言及があるか注目される。

 その後、ノルウェーの中銀であるノルゲバンクも現行3.25%から3.50%に利上げ決定が予想されている。鈍化見込みだった同国の5月消費者物価指数(CPI)が6.7%まで加速したことで、現状よりタカ派なスタンスが示されるかもしれない。

 20時には英中銀が政策金利(予想:現行4.50%から4.75%に引き上げ)と金融政策委員会(MPC)の議事要旨を明らかにする。昨日は英5月CPIコアが前年比で統計開始後の最高水準を記録。もともと年末までの追加利上げは確実視されていたが、インフレ懸念の再燃が昨日のMPC投票にも影響あったのか気になるところ。MPC内でどのような議論がなされたか注目される。

 同時刻にはトルコ中銀が政策金利を発表する。エルカン新中銀総裁のもとで初となる政策発表は、引き締め転換の度合いが注目。トルコインフレ率は足もとで39%台と非常に高いまま。現行8.5%を最低でも20%台まで引き上げという見方は多いが、国内エコノミストからそこまではないとの予想もある。また利上げ後にエルドアン大統領がどのような反応を示すかも注意したい。

また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、ナーゲル独連銀総裁が講演予定。

想定レンジ上限
・ドルスイスフランは日足一目均衡表・基準線0.9025フラン、ポンドドルが16日高値1.2848ドル。
・ノルウェー・クローネ(NOK)円は16日高値13.47円、リラ円が2021年12月の安値6.17円。

想定レンジ下限
・ドルスイスフランは5月4日安値0.8820フラン、ポンドドルが21日安値1.2691ドル。
・ノルウェー・クローネ(NOK)円は20日安値13.10円、リラ円が9日安値5.84円。

(小針)
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