ロンドン為替見通し=エルドアン・トルコ大統領再選を受けたトルコリラの動向に要注目

 本日の欧州為替市場のトルコリラは、エルドアン・トルコ大統領の再選を受けたトルコの株式、債券、為替市場の反応に注目することになる。

 本日は、ロンドン市場はスプリング・バンク・ホリデーで休場、ニューヨーク市場もメモリアルデーで休場となり、閑散取引の中での高値圏にあるポンド円や安値圏のポンドドル、ユーロドルの動向に要警戒となる。
 ユーロドルは、ドイツのテクニカル・リセッション(景気後退)入りを受けたターミナルレート(利上げの最終到達点)への接近、ポンドドルは、インフレ高進と景気減速が併存するスタグフレーションへの警戒感などで上値を抑えられつつある。

 エルドアン・トルコ大統領は、5月14日の第1回大統領選挙では、過半数に届かない49.52%の得票率だったが、28日の第2回大統領選挙では、52.1%程度の得票により、今後5年間の大統領の座を確保した。第1回大統領選挙で3位になったオアン氏が「キングメーカー」として、エルドアン大統領の支持を表明していたことで、再選はほぼ予想通りだったものの、今後も、高金利抑制の下でのトルコリラの下落トレンドが警戒されている。

 外交面では、親ロシア派と見られるオアン氏が、副大統領などの要職に就くことが予想されており、ウクライナ情勢などを巡る地政学リスクへの警戒感も高まることになる。
 金融政策面では、先週の報道では、政権与党内で金融政策を緩やかな利上げ路線に転換する選択肢や、公的機関・政府補助金を通じて的を絞った融資を実行する選択肢が協議されているとのことで、関連ヘッドラインに注目しておきたい。
 また、マイナスに転落した外貨準備への対応策にも要注目となる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0788ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:151.61円(5/2高値)
・ポンドドル:1.2409ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:174.70円(ピポット・レジスタンス2)
・ドル/トルコリラ:20.1505リラ(日足一目均衡表・転換線)
・トルコリラ円:7.20円(3月前半に抑えられた水準)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0631ドル(3/20安値)
・ユーロ円:149.51円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2175ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円: 171.93円(日足一目均衡表・転換線)
・ドル/トルコリラ:19.3536リラ(日足一目均衡表・雲の上限)
・トルコリラ円:6.86円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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