NYマーケットダイジェスト・30日 株高・金利低下・円安・ユーロ高

(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.24円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.74円(△1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0923ドル(△0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:34890.24ドル(△37.57ドル)
ナスダック総合株価指数:14019.31(△75.55)
10年物米国債利回り:4.11%(▲0.01%)
WTI原油先物10月限:1バレル=81.63ドル(△0.47ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1973.0ドル(△7.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   2.3%      ▲4.2%
8月ADP全米雇用報告        17.7万人    37.1万人・改
7月米卸売在庫(前月比)       ▲0.1%    ▲0.7%・改
4-6月期米国内総生産(GDP)改定値
前期比年率              2.1%       2.4%
個人消費改定値(前期比年率)     1.7%       1.6%
コアPCE改定値(前期比年率)      3.7%       3.8%
7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
前月比                0.9%      0.4%・改
前年比               ▲13.8%     ▲14.7%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。8月ADP全米雇用報告が17.7万人増と予想の19.5万人増を下回り、米労働市場の過熱感の緩和が示されると、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退。米金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となった。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値や個人消費、コアPCEが予想より弱い内容となったこともドル売りを促し、一時145.56円と日通し安値を更新した。
 ただ、その後発表の7月米住宅販売保留指数が予想を上回ったことが分かると買い戻しが優勢となり、146.29円付近まで持ち直した。米国株相場の上昇に伴うリスク・オンの円売りも出た。

・ユーロドルは3日続伸。8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前年比で予想を上回ると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が高まりユーロ買いが優勢となった。低調な米経済指標が相次いだこともドル売りを促し、23時前に一時1.0945ドルと15日以来約2週間ぶりの高値を付けた。その後の下押しも1.0917ドル付近にとどまった。

・ユーロ円は5日続伸。独インフレ指標の上振れを受けて、「ECBが9月の理事会で追加利上げを決める」との観測が高まるとユーロ買いが進んだ。米国株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いも入り、5時前には159.76円と2008年8月以来15年ぶりの高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸。8月ADP全米雇用報告が予想を下回り、米労働市場の過熱感が薄れたことを示す内容だったと伝わると、FRBによる追加利上げ観測が後退し買いが入った。ただ、足もとで相場上昇が続いたあとだけに利食い売りなども出やすく、指数は下げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは小幅ながら3日続伸。8月ADP全米雇用報告や4-6月期米GDP改定値が予想より弱い内容となったことを受けて、FRBによる追加利上げ観測が後退すると債券買いが入った。ただ、7月米住宅販売保留指数が予想を上回ったことが分かると、やや伸び悩んだ。

・原油先物相場は5日続伸。大型ハリケーン「イダリア」がフロリダ州に上陸し、石油精製施設への影響が懸念されることで原油先物は5日続伸して引けた。また、低調な米経済指標発表後にドル安が多くの通貨で進んだことで、ドルで取引される原油先物に割安感からの買いも入った。

・金先物相場は3日続伸。前日引け値近辺でもみ合いだった金先物だったが、8月ADP全米雇用報告、4-6月期米GDP改定値等の米経済指標の結果が相次いでさえない結果になると、米金利低下とともに金先物は買いが優勢になった。また、多くの通貨でドル安が進んだことで、割安感からの金買いも支えに3日続伸して引けた。

(中村)
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