週間為替展望(ポンド/加ドル)-BOE総裁、利上げサイクルの終了示唆

◆ポンド、英賃金データに注目
◆ベイリーBOE総裁、利上げサイクルの終了を示唆
◆加ドル、BOC追加利上げに含みも経済減速への懸念高まる

予想レンジ
ポンド円 181.00 -186.00円
加ドル円 106.00-110.00円

9月11日週の展望
 ポンドは12日に英国国家統計局(ONS)が公表する雇用関連指標に動意付けられる展開となりそうだ。失業率で労働状況を見定めるのは大切だが、最も注目されるのはやはり「ボーナスを除く平均賃金」だろう。前回の4-6月分は前年比7.8%と、2001年に統計を開始して以来最高の伸び率を記録。その後に発表された7月英消費者物価指数(CPI)は前年比6.8%まで減速したが、コアインフレへの上昇圧力は高まったまま。イングランド銀行(英中銀、BOE)が金融引き締めを強化するとの思惑は薄まっていない。市場は英中銀が今月、または遅くとも11月の金融政策委員会(MPC)で0.25%の利上げを決定し、来年第1四半期には追加利上げに踏み切ると見ている。

 ただし、ベイリーBOE総裁は先行きインフレについて楽観的とも言える見方をしている。6日に英議会財務委員会で行われた年次報告では「金融引き締め政策はおそらく、サイクルの頂点付近にある」との見解を示した。その理由として、「インフレの低下がかなり顕著になる可能性がある」とし、「最新指標はBOEの予想通りに推移」と述べ、「たとえ次回のCPIが上昇したとしてもインフレ見通しは変わらない」とした。一方、賃金上昇ペースの減速度合いについては「不透明」としている。そのため、今回の賃金データの重要度がより増すことになる。

 加ドルは8日の8月カナダ雇用統計を受けた動きを週前半まで持ち越すことになりそうだ。前回7月分では、増加が予想された新規雇用者数が0.64万人減に落ち込んだ。また、1日に公表された4-6月期カナダ国内総生産(GDP)も予想以上に低調だったということもあり、雇用指標がさえないようだと、6日のカナダ中銀(BOC)声明で述べられた「必要に応じて政策金利をさらに引き上げる用意がある」という文言に対して懐疑的な見方が広がってしまうだろう。なお4-6月期GDPはプラスが予想された前期比が0.2%減まで落ち込み、前回値も0.5ポイント下方修正された。

 また、BOCは6日、政策金利を市場予想通りに5.00%に据え置いた。22年ぶりの高水準で2会合連続据え置いた理由として、「過剰な需要が緩和していることを示す最近のデータと、金融政策の効果は遅れて出てくることを考慮した」と述べている。インフレについては、「最新CPIは、依然として広範囲にインフレ圧力の存在を示唆」と警戒感を緩めていない。もし雇用指標を無風で通過するようであれば、BOCの次の一手を探ることになる19日の8月CPIまでは、米金利や原油価格などを眺めながら方向感をやや掴みづらい展開が続くかもしれない。

9月4日週の回顧
 ポンドは上値が重かった。年初来高値を更新したドル円につれて対円では買いが先行も、185円後半を頭に183円前半まで反落。対ドルでは3カ月ぶりの安値となる1.24ドル半ばまで弱含んだ。ベイリーBOE総裁の利上げサイクル停止示唆が重しとなった。加ドル円は、ドル円の買い先行につれて108円半ばまで上昇したものの一巡後は伸び悩み。米金利上昇を背景に全般ドル買いが強まるなか、加ドルは対ドルで1.37加ドル手前まで加ドル安に振れた。(了)

(小針)
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