週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、利上げ確実も総裁見通しに注目
◆ポンド、追加利上げは確実もベイリーBOE総裁の金利見通しに注目
◆対円では日銀金融政策決定会合の影響残る
◆加ドル、重要な雇用統計を待つ展開
予想レンジ
ポンド円 175.50-182.50円
加ドル円 104.00-108.00円
7月31日週の展望
来週のポンドは、週前半は前週末に発表される日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁の記者会見を踏まえた円相場全般の動きに追随することになりそうだ。政策決定や総裁発言の内容(特にイールドカーブ・コントロール、YCCに関し)に「サプライズなし」となれば、日英金利差の拡大がより意識され、円売りポンド買いに勢いがつくかもしれない。逆に、日銀がこれまで頑なに維持してきた超金融緩和に「修正の兆しが見えた」となれば、円買いが強まりそうだ。いくら両国の金利差は広がったままと言っても、円相場全般の流れにはポンド円も抗えないだろう。
もっとも、ポンドにとってのメインイベントは、8月3日のイングランド銀行(英中銀、BOE)金融政策委員会(MPC)による金利決定。今月19日に発表された6月のインフレ指標は想定以上に鈍化していたものの、追加利上げはほぼ確実とされている。ただし、政策金利の引き上げ幅は6月会合の半分、現行5.00%から5.25%までとの見方が優勢だ。
政策金利と同時に明らかとなる議事要旨でまず注目したいのが、今回からテンレイロ前委員に代わり英中銀MPC委員として会合に参加するグリーン氏の金融スタンス。前委員はハト派として知られたが、新委員は逆にタカ派寄りと見られている。市場では、減速した6月英消費者物価指数(CPI)の結果を受け、英中銀による金融引き締め長期化・強化への思惑は後退しつつある。初会合のためグリーン委員は目立つことはしないと思われるが、同委員の政策金利に対する投票行動やインフレへの見解は気を付けて見ておいたほうが良いだろう。
より重要なのは政策金利発表後のベイリーBOE総裁の会見。今のところ短期金融市場は、次回9月MPCで25ベーシスポイントの追加利上げ、そして11月か12月会合で更に同程度の金利引き上げを織り込んでいる。米欧中銀トップが今後の利上げについて言及を避けるたびにドル売りやユーロ売りに傾いたなか、英中銀総裁の金利見通し次第ではポンドも上下することになるりそうだ。
加ドルにとって重要な材料は、8月4日に発表される7月の雇用統計。新規雇用者数は前月から減少見込み、失業率も前回から悪化が予想されている。また失業率については、過去3カ月連続で市場予想より悪い結果であり、今回も警戒感を緩めることはできない。たとえ予想通りだとしても、昨年2月以来の弱い結果となる。いずれにせよ、週末の指標であり、それまでは市場のリスクセンチメントの強弱や原油相場をにらみながらの取引となりそうだ。
7月24日週の回顧
ポンド、加ドルともに、対円では日銀のYCCに関する報道で上下した。週前半は、前週末にYCC修正なしとの観測報道で円安が進行した影響が残った。ただ、週後半にはYCC上限を一定程度超えることを容認する可能性が報じられ、急ピッチで円買い戻しが進んだ。
対ドルではポンドは1.30ドル手前から1.27ドル後半まで下落。米欧金融政策を受けた相場全般の流れに追随した。加ドルは1.32加ドルを挟み上下した。(了)
◆対円では日銀金融政策決定会合の影響残る
◆加ドル、重要な雇用統計を待つ展開
予想レンジ
ポンド円 175.50-182.50円
加ドル円 104.00-108.00円
7月31日週の展望
来週のポンドは、週前半は前週末に発表される日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁の記者会見を踏まえた円相場全般の動きに追随することになりそうだ。政策決定や総裁発言の内容(特にイールドカーブ・コントロール、YCCに関し)に「サプライズなし」となれば、日英金利差の拡大がより意識され、円売りポンド買いに勢いがつくかもしれない。逆に、日銀がこれまで頑なに維持してきた超金融緩和に「修正の兆しが見えた」となれば、円買いが強まりそうだ。いくら両国の金利差は広がったままと言っても、円相場全般の流れにはポンド円も抗えないだろう。
もっとも、ポンドにとってのメインイベントは、8月3日のイングランド銀行(英中銀、BOE)金融政策委員会(MPC)による金利決定。今月19日に発表された6月のインフレ指標は想定以上に鈍化していたものの、追加利上げはほぼ確実とされている。ただし、政策金利の引き上げ幅は6月会合の半分、現行5.00%から5.25%までとの見方が優勢だ。
政策金利と同時に明らかとなる議事要旨でまず注目したいのが、今回からテンレイロ前委員に代わり英中銀MPC委員として会合に参加するグリーン氏の金融スタンス。前委員はハト派として知られたが、新委員は逆にタカ派寄りと見られている。市場では、減速した6月英消費者物価指数(CPI)の結果を受け、英中銀による金融引き締め長期化・強化への思惑は後退しつつある。初会合のためグリーン委員は目立つことはしないと思われるが、同委員の政策金利に対する投票行動やインフレへの見解は気を付けて見ておいたほうが良いだろう。
より重要なのは政策金利発表後のベイリーBOE総裁の会見。今のところ短期金融市場は、次回9月MPCで25ベーシスポイントの追加利上げ、そして11月か12月会合で更に同程度の金利引き上げを織り込んでいる。米欧中銀トップが今後の利上げについて言及を避けるたびにドル売りやユーロ売りに傾いたなか、英中銀総裁の金利見通し次第ではポンドも上下することになるりそうだ。
加ドルにとって重要な材料は、8月4日に発表される7月の雇用統計。新規雇用者数は前月から減少見込み、失業率も前回から悪化が予想されている。また失業率については、過去3カ月連続で市場予想より悪い結果であり、今回も警戒感を緩めることはできない。たとえ予想通りだとしても、昨年2月以来の弱い結果となる。いずれにせよ、週末の指標であり、それまでは市場のリスクセンチメントの強弱や原油相場をにらみながらの取引となりそうだ。
7月24日週の回顧
ポンド、加ドルともに、対円では日銀のYCCに関する報道で上下した。週前半は、前週末にYCC修正なしとの観測報道で円安が進行した影響が残った。ただ、週後半にはYCC上限を一定程度超えることを容認する可能性が報じられ、急ピッチで円買い戻しが進んだ。
対ドルではポンドは1.30ドル手前から1.27ドル後半まで下落。米欧金融政策を受けた相場全般の流れに追随した。加ドルは1.32加ドルを挟み上下した。(了)