週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、加ドルとも米日金融政策を見定め
◆26日のFOMC、28日の日銀会合結果を見定めることに
◆ポンド、ECB理事会後のユーロドル、ユーロポンドの動向に注意
◆加ドル、インフレ大幅減速も利上げ観測は残ったまま
予想レンジ
ポンド円 179.00-184.00円
加ドル円 105.50-109.00円
7月24日週の展望
金融市場にとって非常に重要となるこの週、ポンドはまず、週初に発表の7月英製造業とサービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値で足もとの景気動向を確認。製造業PMIは1年ほど景況判断の境目である50を割り込んでおり、下振れた6月分の流れが続いてしまうかがポイントだろう。週半ばからは、25-26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、27日が欧州中央銀行(ECB)定例理事会、そして27-28日の日銀金融政策決定会合を一つずつ見定めながらの取引になる。
0.25%の利上げが確実視されるFOMCでは、秋以降の会合に関するヒントを声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で探ることになる。タカ派姿勢と受けとめられた場合、市場が織り込む「今回で利上げ打ち止め」の巻き戻しには注意したい。特に、インフレ減速を受けて過度な英金利先高観が後退しつつあるため、ポンドは対ドルで売りが強まる可能性が出てくる。また、ECB理事会については、政策結果やラガルドECB総裁の会見を受けたユーロの対ドルでの動きにポンドはまず追随するだろうが、難しいのはユーロポンドの影響を受けたときだろう。両通貨ペアの方向性を同時に注視しておく必要がある。
28日の日銀会合については、一時高まったイールドカーブ・コントロール(YCC)修正への思惑は、植田日銀総裁の発言を受けて弱まりつつある。ただ、本邦物価動向からもYCC許容変動幅の拡大は海外勢が飛びつきやすい材料であることに変わりない。会合直前や会合当日になって情報が漏れ伝わる可能性もあり、ニュースのヘッドラインには常に注意が必要だろう。
加ドルも、米日の金融政策の結果を受けたドル相場や円相場の動きに左右されることになるだろう。なお、18日発表の6月カナダ消費者物価指数(CPI)は前年比2.8%上昇と2年3カ月ぶりの低い伸び率となった。市場予想以上の減速であり、カナダ中銀(BOC)の許容レンジ(1-3%)内にも収まっている。もっとも40年ぶりの高インフレ率を記録した前年同月からの反動が大きいほか、CPIトリムが予想比上振れたこともあり、年後半のBOC利上げ観測は残ったままだ。28日発表予定の5月国内総生産(GDP)の結果を受けて、カナダの金利見通しに変化があるのかどうか。注意しておきたい。
7月17日週の回顧
ポンドは上値が重かった。19日に発表された6月英CPIは前年比7.9%と前回からの鈍化予想を更に下回り、2022年3月以来の7%台を記録。英中銀の金融引き締め長期化・強化観測がやや後退し、ポンドは戻り売りが優勢となった。対ドルでは1.31ドル台から1.28ドル半ば、対円では182円台から一時180円割れまで弱含んだ。
加ドルは対ドルで1.31加ドル前半まで強含む場面があった。予想を下回ったCPIを受けても加ドル売りは1.32加ドル半ばまで。底堅い原油先物が支えとなったほか、全般ドル高が進んだ影響も受けた。対円では104円前半から106円半ばまで切り返した。YCC修正観測の後退が円売り加ドル買いに繋がった。
◆ポンド、ECB理事会後のユーロドル、ユーロポンドの動向に注意
◆加ドル、インフレ大幅減速も利上げ観測は残ったまま
予想レンジ
ポンド円 179.00-184.00円
加ドル円 105.50-109.00円
7月24日週の展望
金融市場にとって非常に重要となるこの週、ポンドはまず、週初に発表の7月英製造業とサービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値で足もとの景気動向を確認。製造業PMIは1年ほど景況判断の境目である50を割り込んでおり、下振れた6月分の流れが続いてしまうかがポイントだろう。週半ばからは、25-26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、27日が欧州中央銀行(ECB)定例理事会、そして27-28日の日銀金融政策決定会合を一つずつ見定めながらの取引になる。
0.25%の利上げが確実視されるFOMCでは、秋以降の会合に関するヒントを声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で探ることになる。タカ派姿勢と受けとめられた場合、市場が織り込む「今回で利上げ打ち止め」の巻き戻しには注意したい。特に、インフレ減速を受けて過度な英金利先高観が後退しつつあるため、ポンドは対ドルで売りが強まる可能性が出てくる。また、ECB理事会については、政策結果やラガルドECB総裁の会見を受けたユーロの対ドルでの動きにポンドはまず追随するだろうが、難しいのはユーロポンドの影響を受けたときだろう。両通貨ペアの方向性を同時に注視しておく必要がある。
28日の日銀会合については、一時高まったイールドカーブ・コントロール(YCC)修正への思惑は、植田日銀総裁の発言を受けて弱まりつつある。ただ、本邦物価動向からもYCC許容変動幅の拡大は海外勢が飛びつきやすい材料であることに変わりない。会合直前や会合当日になって情報が漏れ伝わる可能性もあり、ニュースのヘッドラインには常に注意が必要だろう。
加ドルも、米日の金融政策の結果を受けたドル相場や円相場の動きに左右されることになるだろう。なお、18日発表の6月カナダ消費者物価指数(CPI)は前年比2.8%上昇と2年3カ月ぶりの低い伸び率となった。市場予想以上の減速であり、カナダ中銀(BOC)の許容レンジ(1-3%)内にも収まっている。もっとも40年ぶりの高インフレ率を記録した前年同月からの反動が大きいほか、CPIトリムが予想比上振れたこともあり、年後半のBOC利上げ観測は残ったままだ。28日発表予定の5月国内総生産(GDP)の結果を受けて、カナダの金利見通しに変化があるのかどうか。注意しておきたい。
7月17日週の回顧
ポンドは上値が重かった。19日に発表された6月英CPIは前年比7.9%と前回からの鈍化予想を更に下回り、2022年3月以来の7%台を記録。英中銀の金融引き締め長期化・強化観測がやや後退し、ポンドは戻り売りが優勢となった。対ドルでは1.31ドル台から1.28ドル半ば、対円では182円台から一時180円割れまで弱含んだ。
加ドルは対ドルで1.31加ドル前半まで強含む場面があった。予想を下回ったCPIを受けても加ドル売りは1.32加ドル半ばまで。底堅い原油先物が支えとなったほか、全般ドル高が進んだ影響も受けた。対円では104円前半から106円半ばまで切り返した。YCC修正観測の後退が円売り加ドル買いに繋がった。