ロンドン為替見通し=動きは限定的か、ECB関係者の講演には要注目

 先週14日の欧州中央銀行(ECB)理事会後に1.0632ドルまで弱含んだユーロドルだが、翌15日は1.0633ドルを安値に戻しは1.0688ドルまで、そして本日も1.06ドル後半の狭いレンジでの取引に終始している。

 市場は20日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まり、ここで発表されるドットチャートを確かめるまでは動きにくいく、本日のユーロドルは値動きが限定的になるか。また、欧州からも目立った経済指標の発表もないことで、本日の欧州時間は動きにくい展開になりそうだ。
 
 本日予定されているECB関係者の講演は、デギンドスECB副総裁が雇用主協会のイベントに出席し、講演が行われる予定。もっとも、副総裁は15日のECB後に「CPIを落ち着かせるため、金利はしばらく現在の水準で十分」「今後の利下げは多くの要因に左右される」と、すでに若干ハト派と捉えられる発言をしていることや、主催イベントの題目からして、市場にサプライズを与える発言が出てくるのは難しいか。
 また、パネッタECB専務理事も、ドイツのフランクフルトで開催された第9回カナダ銀行・欧州中央銀行合同会議にて「不確実な世界におけるバリューチェーンの再構築・どこまで進むのか」との題目で、パネルディスカッションに参加する。専務理事は先月には「金融政策は利上げだけでなく、現行の金利水準を長く維持することでも機能する可能性」と発言しているが、同氏の見解に変化が生じるかに注目したい。
 

・想定レンジ上限
 ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0701ドル。
 
・想定レンジ下限
 ユーロドル:9月14日安値1.0632ドル。


(松井)
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