ロンドン為替見通し=ラガルドECB総裁の「利上げサイクル終了」観測への反論に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ラガルドECB総裁の講演での「利上げサイクル終了」観測への反論に注目することになる。

 昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、10会合連続の利上げ(+0.25%)が決定されたものの、利上げ局面が終了したとの見方から、ユーロドルは1.06ドル台前半まで下落した。
 ECBの利上げ局面が終了したとの見方は、経済予測で、2023-25年の成長率予想が顕著に下方修正されたことが背景にある。

 昨日のラガルドECB総裁の記者会見では、金利を高水準で維持する方向にかじを切る可能性を示唆したものの、金利がピークに達したかは「言えない」と確言は避けた。
 本日の講演では、市場に台頭している利上げサイクル終了との見方に対する反論に要注目となる。

 政策委員会は、金利を十分に景気抑制的な水準に必要な限り維持する、と表明し、インフレが予想以上に長く高止まりした場合の追加利上げの余地を残していた。
 そして、ECBの最新予測では2024年のインフレ率が3%を上回ることが想定されており、追加利上げの可能性を裏付けている。

 一方で、ユーロ圏経済のさらなる低迷や高インフレが長期にわたって続く可能性が警戒されており、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)懸念が、ユーロドルへの売り圧力を強めつつある。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0715ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:157.62円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0551ドル(3/16安値)
・ユーロ円:156.35円(日足一目均衡表・雲の上限)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。