ロンドン為替見通し=ユーロ圏5月インフレ率速報値とラガルドECB総裁発言に要注目

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ユーロ圏5月の消費者物価指数(HICP)と速報値と5月ユーロ圏製造業PMI改定値を見極めた後、ラガルドECB総裁の講演に注目する展開が予想される。

 5月独製造業PMI改定値では、ドイツ経済がテクニカル・リセッション(景気後退)に陥っていることで、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。
 5月ユーロ圏製造業PMI改定値は44.6と予想されており、景況感の分岐点である50を下回る状態が続いており、15日の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ観測が高まる中で、ネガティブサプライズに要警戒か。

 昨日発表された5月仏CPI速報値は前年比+5.1%で、4月の同比+5.9%から低下、独CPI速報値は前年比+6.1%で、4月の同比+7.2%から低下していた。本日発表される5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+6.3%と予想されており、5月の同比+7.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。
 ユーロ圏20カ国でインフレが予想より急速に低下している可能性が示唆されており、ECB内の一部で出ている利上げ慎重論が裏付けられつつある。

 ラガルドECB総裁の講演では、ドイツのリセッション入りやユーロ圏のインフレ率鈍化を受けた15日のECB理事会での利上げ幅への言及に要注目となる。総裁は、先日、「消費者物価上昇に鈍化の兆しが見え始めてきた今、ECBはインフレとの闘いを続けなければならない重要な局面にある」と追加利上げを示唆していた。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0733ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:149.83円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0635ドル(5/31安値)
・ユーロ円:147.61円(5/16安値)


(山下)
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