株式明日の戦略-中銀イベントが通過し、来週は需給イベント週を迎える
22日の日経平均は4日続落。終値は168円安の32402円。米国株安の流れを引き継ぎ、300円を超える下落で取引を開始した。米金融引き締め長期化観測が重荷となり、下げ幅は一時400円を超えた。一方、22日まで開催されていた日銀金融政策決定会合で、日銀は大規模な金融緩和策の維持を決定した。後場に入ると無難にイベントを通過したとの見方から買い安心感が広がる展開。32500円台を回復し、一時40円程度まで下げ幅を縮める場面があった。取引終了後の植田日銀総裁の記者会見を前に積極的な買いは手控えられ、終盤にかけて再び売りに押された。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8800億円。騰落銘柄数は値上がり839/値下がり924。業種別では鉱業、空運、銀行などが上昇した一方、海運、電気・ガス、非鉄金属などが下落した。
売買代金上位はまちまち。メガバンクやトヨタなどが後場からプラス圏に浮上したほか、半導体関連の一角が上昇。一方、川崎汽船などの海運株の下げが大きかったほか、三菱商事や日本製鉄など景気敏感系のバリュー株への売りが目立った。
プライム市場の値上がり率上位では、自社株買いや年間配当予想を増額修正したSANKYOがストップ高。スタジオジブリを子会社化すると発表した日本テレビHDが買い気配から急騰した。通期最終益を上方修正したネクシィーズGが急反発したほか、日テレのジブリ買収で日テレが筆頭株主のビーグリーに思惑買いが強まった。一方、値下がり率上位では、前日に最上位の投資判断の付与で急騰したDDグループが急反落となり、ウエルシアHDや富士急行が軟調。鳥貴族HDやZHD、クボタの下げも目立った。
【来週の見通し】
東京株式市場は月末・四半期末、半期末を迎える。週前半は材料難の中で外部環境に神経質な地合いが予想される。米国市場で長期金利の上昇やハイテク株の下落が落ち着けば、業種別のリターン・リバーサルの動きが予想される。9月はこれまでのパフォーマンスから見る限り、グロース業種への買い・バリュー業種への売りが意識されよう。個別では、9月期末の配当・優待取り狙いの買いが入りやすく、小売企業の一角が決算発表を予定しており、インバウンド関連も含め内需系セクターも選好されやい。
週後半は28日が権利落ちとなり、地合いによっては配当・優待確定後の売りが予想される。米国株安が続くなど外部環境の悪化次第では日本株にヘッジ売りなどが強まるシナリオも想定しておきたい。昨年の9月末の日経平均は前日比で484円安(-1.83%)だった。
全体的には需給イベントも重なる。27日は権利付き最終日、28日は権利落ち日となり、年金資金などTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口投資家による「配当再投資」に伴う買いが入る。年金資金などを運用・管理する信託銀行などが、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うため、機械的にTOPIX先物に買いを入れるためだ。
一方、日本経済新聞社は9月4日、日経平均株価の構成銘柄の入れ替えを発表した。市場流動性の観点からメルカリ、レーザーテック、ニトリHDを新規採用。一方、日本板硝子、三井E&S、松井証券を除外する。10月2日の入れ替えに伴い、前営業日となる29日の大引けで採用される銘柄を買い入れ、除外される銘柄を売却することが見込まれる。採用銘柄と除外銘柄の換算係数調整株価の合計額は採用銘柄の方が大きいため、リバランスに伴い指数全体としては約4000億円の換金売りが生じると推測されている。買い付け代金の捻出を目的に既存の構成銘柄には広く薄く売りが想定されることから、地合い次第ではあるものの、29日の終盤にかけては値動きが大きくなる可能性に留意したい。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8800億円。騰落銘柄数は値上がり839/値下がり924。業種別では鉱業、空運、銀行などが上昇した一方、海運、電気・ガス、非鉄金属などが下落した。
売買代金上位はまちまち。メガバンクやトヨタなどが後場からプラス圏に浮上したほか、半導体関連の一角が上昇。一方、川崎汽船などの海運株の下げが大きかったほか、三菱商事や日本製鉄など景気敏感系のバリュー株への売りが目立った。
プライム市場の値上がり率上位では、自社株買いや年間配当予想を増額修正したSANKYOがストップ高。スタジオジブリを子会社化すると発表した日本テレビHDが買い気配から急騰した。通期最終益を上方修正したネクシィーズGが急反発したほか、日テレのジブリ買収で日テレが筆頭株主のビーグリーに思惑買いが強まった。一方、値下がり率上位では、前日に最上位の投資判断の付与で急騰したDDグループが急反落となり、ウエルシアHDや富士急行が軟調。鳥貴族HDやZHD、クボタの下げも目立った。
【来週の見通し】
東京株式市場は月末・四半期末、半期末を迎える。週前半は材料難の中で外部環境に神経質な地合いが予想される。米国市場で長期金利の上昇やハイテク株の下落が落ち着けば、業種別のリターン・リバーサルの動きが予想される。9月はこれまでのパフォーマンスから見る限り、グロース業種への買い・バリュー業種への売りが意識されよう。個別では、9月期末の配当・優待取り狙いの買いが入りやすく、小売企業の一角が決算発表を予定しており、インバウンド関連も含め内需系セクターも選好されやい。
週後半は28日が権利落ちとなり、地合いによっては配当・優待確定後の売りが予想される。米国株安が続くなど外部環境の悪化次第では日本株にヘッジ売りなどが強まるシナリオも想定しておきたい。昨年の9月末の日経平均は前日比で484円安(-1.83%)だった。
全体的には需給イベントも重なる。27日は権利付き最終日、28日は権利落ち日となり、年金資金などTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口投資家による「配当再投資」に伴う買いが入る。年金資金などを運用・管理する信託銀行などが、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うため、機械的にTOPIX先物に買いを入れるためだ。
一方、日本経済新聞社は9月4日、日経平均株価の構成銘柄の入れ替えを発表した。市場流動性の観点からメルカリ、レーザーテック、ニトリHDを新規採用。一方、日本板硝子、三井E&S、松井証券を除外する。10月2日の入れ替えに伴い、前営業日となる29日の大引けで採用される銘柄を買い入れ、除外される銘柄を売却することが見込まれる。採用銘柄と除外銘柄の換算係数調整株価の合計額は採用銘柄の方が大きいため、リバランスに伴い指数全体としては約4000億円の換金売りが生じると推測されている。買い付け代金の捻出を目的に既存の構成銘柄には広く薄く売りが想定されることから、地合い次第ではあるものの、29日の終盤にかけては値動きが大きくなる可能性に留意したい。