NY為替見通し=NY午前は週間の雇用指標、午後はFRB議長の発言に要注目

 本日のNY午前は、週間の米雇用指標(前週分の失業保険継続受給者数、新規失業保険申請件数)の結果に注視し、NY午後には米30年債の入札後に予定されている、国際通貨基金(IMF)主催で行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目が集まる。

 前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、パウエルFRB議長は「(利上げ」サイクルの終わりに近づいている」などと発言したことで、米債利回りは低下傾向を辿った。その後、複数のFRB要人が必要な場合の更なる利上げについて言及するなど、パウエルFRB議長の発言を否定してはいないが、利上げの停止には慎重な姿勢を示している。政策金利についてFRB議長と他のメンバーとの温度差があるようにも感じるが、本日のIMFでの講演でパウエルFRB議長がFOMCと同様な発言をするのか、もしくは前回ほどハト派と捉えられる発言を控えるかが注目される。なお、今回の討論会の題目は「世界経済における金融政策の課題」で、他のパネリストはゴピナスIMF第一副専務理事、ロゴフ・ハーバード大学国際経済学部教授、ヤロン・イスラエル銀行総裁となっている。

 また、仮にタカ派発言になった場合は、ドル円は上値をうかがう動きにはなるだろうが、依然として円買い介入への警戒感は変わらない。先週151円台まで円安が進んだ時に、神田財務官が「スタンバイ状態」と発言。その後、円安が止まったというよりも、米金利低下によりドル高の流れが反転したことで、ドル円は昨年の高値超えを回避した。しかしながら、ユーロ円やアジア通貨に対しても円安が、十年超、数十年以来の水準まで進んでいる状況で、再びドル円が151円台で堅調に推移した場合は、介入が行われる可能性は依然として高そうだ。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、10月31日高値151.72円から昨年10月21日に32年超振りにつけた高値151.95円が抵抗帯。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、これまでの日通し安値150.77円が最初の支えで、その下は日足一目均衡表・転換線150.27円。

(松井)
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