欧州マーケットダイジェスト・14日 株高・金利低下・ドル安

(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.60円(14日15時時点比▲1.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.75円(△1.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0873ドル(△0.0178ドル)
FTSE100種総合株価指数:7440.47(前営業日比△14.64)
ドイツ株式指数(DAX):15614.43(△269.43)
10年物英国債利回り:4.152%(▲0.162%)
10年物独国債利回り:2.600%(▲0.113%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
10月英雇用統計
失業率                4.0%       4.0%
失業保険申請件数          1万7800件    9000件・改
7-9月英失業率(ILO方式)       4.2%      4.2%
10月スイス生産者輸入価格(前月比)  0.2%      ▲0.1%
11月独ZEW景況感指数         9.8       ▲1.1
11月ユーロ圏ZEW景況感指数      13.8       2.3
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
前期比               ▲0.1%      ▲0.1%
前年同期比              0.1%       0.1%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは急伸。11月独ZEW景況感指数が9.8と予想の5.0を上回ったことを受けてユーロ買いが先行。NY市場に入り、10月米消費者物価指数(CPI)が前月比横ばい/前年比3.2%と予想の前月比0.1%/前年比3.3%を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比4.0%と予想の前月比0.3%/前年比4.1%より弱い内容だったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが加速した。3時過ぎには一時1.0874ドルと9月1日以来の高値を更新した。市場では「200日移動平均線が位置する1.0803ドルを上抜けてたことでテクニカル的にも買いが入りやすい」との声が聞かれた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.15と9月5日以来の低水準を付けた。

・ドル円は下落。米CPIの発表を控えてしばらくは151円台半ばから後半でのもみ合いが続いていたが、米CPIの下振れをきっかけに全般ドル売りが優勢になると一時150.51円と日通し安値を更新した。
 なお、市場では「米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げサイクルは終了した」との見方が浮上。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4298%前後まで急低下した。

・ユーロ円は堅調。予想を上回る独経済指標をきっかけにユーロ買いが先行。米インフレ指標の下振れを受けてダウ平均が580ドル超上昇すると、リスク・オンの円売りも優勢となり、一時163.82円と2008年8月以来の高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時188.29円、豪ドル円は97.94円、NZドル円は90.29円、スイスフラン円は169.40円、南アフリカランド円は8.25円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。10月米CPIの発表を前に、前日終値を挟んでのもみ合いが続いていたが、米CPIの下振れをきっかけに米国株相場が急伸すると英株にも買いが波及した。ただ、外国為替市場でのポンド高が相場の重しとなったため、上値は限定的だった。

・フランクフルト株式相場は大幅に続伸。11月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを受けて買いが先行。10月米CPIの下振れをきっかけに米国株相場が急伸すると、独株にも買いが集まり上げ幅を広げた。個別ではザランド(10.58%高)やボノビア(8.25%高)、ザルトリウス(8.03%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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