欧州マーケットダイジェスト・15日 株高・金利上昇・ドル買い戻し

(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.16円(15日15時時点比△0.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.06円(△0.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0853ドル(▲0.0019ドル)
FTSE100種総合株価指数:7486.91(前営業日比△46.44)
ドイツ株式指数(DAX):15748.17(△133.74)
10年物英国債利回り:4.227%(△0.075%)
10年物独国債利回り:2.644%(△0.044%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
10月独卸売物価指数(WPI、前月比)  ▲0.7%      0.2%
10月英消費者物価指数(CPI)
前月比                0.0%       0.5%
前年比                4.6%       6.7%
CPIコア指数(前年比)         5.7%       6.1%
10月英小売物価指数(RPI)
前月比                ▲0.2%      0.5%
前年比                6.1%       8.9%
10月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.1%       0.1%
前年比                4.0%       4.0%
9月ユーロ圏鉱工業生産
前月比                ▲1.1%      0.6%
前年比                ▲6.9%     ▲5.1%
9月ユーロ圏貿易収支
季調済            92億ユーロの黒字 111億ユーロの黒字・改
季調前            100億ユーロの黒字  67億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。前日の10月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の10月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると全般ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時1.0886ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、前日の高値1.0887ドルを上抜けることは出来なかった。同時に発表された10月米小売売上高や11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことで、米長期金利が大幅に上昇。ドルを買い戻す動きが優勢となり、24時前には1.0832ドルと日通し安値を更新した。
 欧州連合(EU)欧州委員会はこの日、今年のユーロ圏域内総生産(GDP)が前年比0.6%増になるとの見通しを発表。物価高や外需の低迷が打撃となり、前回予測の0.8%増から下方修正した。ただ、テクニカルリセッションは回避し、来年には景気が拡大するとした。

・ドル円は底堅い動き。米重要指標の発表を控えて、しばらくは150円台半ばでのもみ合いが続いていた。NY市場に入り、米PPIが予想を下回ったことが伝わると、前日の安値150.16円を下抜けて一時150.06円と日通し安値を更新。ただ、米小売指標の上振れを受けて米金利が上昇すると一転買い戻しが優勢となり、24時前に151.24円と日通し高値を更新した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.43%台から4.55%台まで急伸した。

・ユーロ円は堅調。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが先行すると、18時30分過ぎに一時163.07円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとは欧米株価の上昇に伴うリスク・オンの円売りが優勢となり、3時前に一時164.07円と2008年8月以来の高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円の上昇も目立った。豪ドル円は98.59円と22年9月以来の高値を付けたほか、NZドル円は91.20円と15年4月以来の高値を更新した。また、スイスフラン円は一時170.34円と史上最高値を記録した。

・ロンドン株式相場は3日続伸。前日の10月米CPIが予想を下回ったことに加えて、本日発表された10月英CPIも予想より弱い内容だったことから、投資家心理がさらに改善。株買いが優勢となった。グレンコアやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。予想を下回る米インフレ指標を受けて米国株相場が底堅く推移すると、独株にも買いが波及した。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(9.69%高)やシーメンス・エナジー(8.78%高)、ザランド(3.08%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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