ロンドン為替見通し=複数ECB高官の発言傾向を注視

 ロンドンタイムは欧州中央銀行(ECB)高官の発言内容を見極めつつ、欧州通貨は神経質な取引となりそうだ。

 ドイツなどユーロ圏中軸国をバックボーンとしたECB高官は、これまで経済的な実力比で割安なユーロ相場を支援に景気回復にいそしんできた一方、高い水準のインフレ推移への警戒感が強い。クノット・オランダ中銀総裁(20時45分から講演予定)も、しばらく引き締め的な状態を維持すべきとの見解のようだ。
 ただ、17時から講演が予定されているECB主要国フランスの中銀総裁ビルロワドガロー氏はインフレがピークアウトしたとの見方をこれまで強調しがちだった。

 そのほかセンテノ・ポルトガル中銀総裁(18時30分から講演)も足もとのインフレ率低下が早めである点に言及している。デコス・スペイン中銀総裁(21時10分からパネルディスカッションに参加)もインフレ率が目標の2%へ戻るとの楽観的な姿勢で、総じて地中海沿岸地域など経済回復に苦しみがちな国の中銀高官は引き締めを緩める方向へ軸足を置いているように思える。

 欧州序盤はこれらの発言の傾向や、ラガルドECB総裁(20時30分から講演)がどのように全体の意見を総括しているかに留意。ラガルド総裁は現状維持の姿勢を改めて示すとみるが。

 NY勢の動き出し以降(23時15分)からだが、スペイン出身のデギンドスECB副総裁の講演も控えている。


想定レンジ上限
・ユーロドル:9月30日高値1.0945ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・雲の上限1.0757ドル。

(関口)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。