NY為替見通し=10月米住宅着工・建設許可件数や複数のFRB高官の発言に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクに警戒しながら、10月米住宅着工・建設許可件数や複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を見極めて行く展開が予想される。

 米国の物価、雇用指標や景況感指標を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ打ち止め観測が台頭しており、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では据え置き観測、そして2024年5月のFOMCでの利下げ開始観測が高まっている。一部市場筋は、2024年3月のFOMCでの利下げ開始を予想し始めている。

 これまでのドル円は、米10年債利回りが一時4.37%台まで低下したことで、149円台半ばまで下落しており、本日も米経済指標やFRB高官の発言を受けた米10年債利回りの動向に要注目となる。

 10月米住宅着工件数の予想は、135.0万件、前月比▲0.6%、建設許可件数の予想は145.0万件、前月比▲1.4%となっており、リスクシナリオは予想を大幅に下回った場合となる。
 本日は、コリンズ米ボストン連銀総裁、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁らの講演が予定されており、利上げ打ち止めや利下げ開始時期への言及に要注目となる。

 本日が期限切れだったつなぎ予算は、ジョンソン米下院議長が提案した暫定予算が上下院で可決され、バイデン米大統領が署名したことで、米政府機関の閉鎖は回避された。しかし、来年初までの暫定予算であることやウクライナとイスラエルへの支援が分離されたことで、米格付け会社ムーディーズ・インべスターズ・サービスによる見解に注目しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、日足一目均衡表・基準線の150.36円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、10月30日の安値の148.81円。


(山下)
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