NY為替見通し=10月米景気先行指標やリッチモンド連銀総裁の講演に要注目

 本日のNY為替市場のドル円は、米中長期債の動向を注視しながら、10月米景気先行指標やバーキン米リッチモンド連銀総裁の講演を見極めて行く展開が予想される。

 10月米景気先行指標総合指数は前月比-0.7%と予想されており、9月の同比-0.7%に続いて、米国経済の先行きへの警戒感が示されることが見込まれている。予想通りならば、米10年債利回りへの下押し圧力が続くことになるため、ドルの上値は限定的か。

 バーキン米リッチモンド連銀総裁は、先週、10月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が鈍化したことで、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制に実質的な進展が見られるとしながらも、2%の目標に向けた明確な軌道にあるとは確信していない、と述べていた。
 そして、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利据え置きを支持することに違和感はなかったものの、FRBの仕事はまだ終わっていない、とも述べている。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、ほぼ据え置きが見込まれている。そして2024年5月のFOMCでの5.00-25%への利下げ開始確率が高まり、12月FOMCでは4.25-50%へと、現状から1.0%の利下げ確率が高まっている。
 さらに、全期間でFF金利誘導目標5.50-75%の枠が消えたことも、利下げへ観測の強さを反映している。

 米政府機関の閉鎖が回避されたこと、10月の米CPIの伸び率鈍化要因が一時的な現象である可能性が指摘されていること、11月のFOMCでの利上げ見送りの理由とされていた米中長期金利の上昇が一服していることなどから、12月FOMCに向けては、依然として予断を許さない状況が続くことになる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、本日高値の149.99円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、10月3日の安値の147.43円。



(山下)
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