NY為替見通し=米小売・NY連銀景気指数に注目、ポジティブサプライズへの反応が強いか

 本日のドル円は、複数の米経済指標を見定めての取引になると予想される。もっとも、米金利が高止まりしていることで、ドル円は介入警戒感が根強いものの底堅さを維持できるか。

 本日は米国から発表される経済指標の中では、7月の小売売上高と8月のニューヨーク連銀製造業景気指数に注目が集まる。
 先月発表された6月の小売売上高は予想の+0.5%を下回る+0.2%となった。また、自動車を除いた結果も予想の+0.3%を下振れ、+0.2%だった。指標発表後ドル円は50銭前後下落したが、すぐに80銭超上昇するなど荒い値動きとなった。一方で、7月のニューヨーク連銀製造業景気指数は予想の-3.4を上回る+1.1となり、1円近く強含み、その後も底堅さを維持した。
 市場予想より弱い結果でドル売りになった場合でも反転する傾向がある反面、予想より強い結果には戻しが浅い。これは、先週発表された米国の消費者物価指数(CPI)も同様で、弱い結果でドル売りになったが、後にドルは下げ幅以上に買い戻されるなど、市場の動きがドル選好になっている。よって、本日もポジティブサプライズへの反応が強くなりそうだ。

 ただし、すでに本日はクロス円を含め値幅を伴って円安が進行していることには要注意となる。日銀の介入は、ある一定期間行われなかった場合は、日本のビジネスタイムに再開されることが多く、NY時間にかけての介入は期待するのは難しそうだ。しかしながら、流動性を失った時間帯にかけて、相場が急に走り出すフェイク介入などで、円高に振れるリスクには備えておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、昨年11月10日高値146.59円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、昨日14日安値144.66円。

(松井)
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