東京為替見通し=ドル円、上値が重い展開か 米長期金利の伸び悩みで

※最終行のネック・ラインを149.21円に修正しました。

 24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米感謝祭翌日で債券・株式・商品市場が短縮取引となる中、149円台半ばでの狭いレンジ取引に終始した。ユーロドルは1.0949ドルまで上値を伸ばした。ユーロ円は欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りが出て、163.65円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、重要な経済指標や要人発言の予定もなく、米10年債利回りが4.50%手前で伸び悩んでいることで、上値が重い展開が予想される。

 先週末24日に米S&Pグローバルが発表した米11月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.7と10月から横ばいだった。しかし、雇用指数が10月の51.3から49.7へ低下して3年半ぶりに50割れとなり、第4・四半期の景気減速予想と一致。その影響もあり、米中長期債の利回りが低下してドルインデックスの弱含みに繋がった。

 今後も12月12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、米国の雇用情勢や物価情勢を見極めていくことになる。次回FOMCについて、WSJ紙のFed番であるニック・ティミラオス記者は「10月の米雇用統計とCPI、7月がFedの最後の利上げとなる見方を強く示唆。12月FOMCでは声明文をどのように修正し、FRBが利上げを見送ったことを反映させるかが大きな議論になりそうだ」と述べている。

 CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、12月FOMCでは、約95%程度の確率で金利据え置きを織り込み、利下げ開始時期は来年6月からだと見込んでいる。

 パウエルFRB議長の発言はタカ派とハト派がまちまちとなっており、データを見極めていくことになる。タカ派発言は「必要と判断すれば一段の政策引き締めをちゅうちょしない。インフレ率を2%に下げる上で十分な引き締めを行ったと完全には確信を持てていない」。ハト派発言は「数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」。

 ドル円のテクニカル分析では、長期的には、エリオット波動の最終第5波を示唆する「斜行三角形」を形成しつつあり、中期的には高値反転を示唆する「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」、そして短期的には「ダブル・トップ(151.72円・151.91円)」を形成しつつある。

 本日は、攻防の分岐点である日足一目均衡表・転換線の149.29円、ネック・ラインである11月3日の安値の149.21円付近を念頭に入れて取引に臨むことになる。

(山下)
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