ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、反落

【※利回り水準部分の日付を修正します。】

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は146.82円と前営業日NY終値(148.20円)と比べて1円38銭程度のドル安水準となった。11月米ISM製造業景況指数が46.7と予想の47.6を下回ったことが伝わると、円買い・ドル売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.1956%前後と9月1日以来、3カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、3時30分過ぎに一時146.66円と9月12日以来の安値を更新した。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で「金融緩和の時期を推測するのは時期尚早」と述べ、早期の利下げ転換を織り込む市場をけん制。「適切だと判断すればさらに金融政策を引き締める用意がある」と従来通りの発言を繰り返した。当初はドル買いで反応し、147.84円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
 市場では「警戒していたほどタカ派ではなかった」との見方があったほか、「来年、米消費や生産が減速する」と述べたことが材料視されたようだ。「米国で利上げ局面が終了したとの見方は根強く、ドルの戻りを売りたい向きは多い」との指摘もあった。

 ユーロドルは小幅ながら3日続落。終値は1.0884ドルと前営業日NY終値(1.0888ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ安水準だった。今週発表されたユーロ圏インフレ指標が予想を下回ったことを受けて、この日も欧州のインフレ鈍化を意識したユーロ売りが先行した。ビルロワドガロー仏中銀総裁が「現時点では利下げを検討する用意はないが、2024年に利下げの問題を検討する可能性がある」「何らかの衝撃がない限り、利上げはもはや完了した」などと発言すると、欧州中央銀行(ECB)の利下げ転換が意識されて、ユーロ売りが加速した。1時過ぎには一時1.0829ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、4時前には1.0893ドル付近まで下げ渋った。パウエルFRB議長が市場の早期利下げ観測をけん制しながらも、現行の金融政策を「十分に引き締め的」と表現し、「米消費や生産が減速する」との見通しを示したことでドル売りが進んだ。

 ユーロ円は5日続落。終値は159.75円と前営業日NY終値(161.37円)と比べて1円62銭程度のユーロ安水準。欧州のインフレ鈍化を意識したユーロ売りが出たほか、仏中銀総裁の発言をきっかけにECBの利下げ転換が意識されるとユーロ売りが優勢となった。5時前には一時159.65円と11月3日以来の安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:146.66円 - 148.35円
ユーロドル:1.0829ドル - 1.0913ドル
ユーロ円:159.65円 - 161.78円

(中村)
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