東京為替見通し=米金利に連れて方向感なく上下か、東京CPI・RBA声明文には要注目

 海外市場ではドル円は、全般に手掛かり材料を欠いたこともあり、米金利動向に振らされる展開となった。米10年債利回りが4.23%台まで低下した場面では146.40円台まで弱含んだものの、一巡後は4.29%台まで上昇したことに伴って147.45円まで反発した。ユーロドルは、米長期金利の上昇を背景にしたユーロ売り・ドル買いの動きが活発化し、前週末安値の1.0829ドルを下抜けて、11月14日以来の安値となる1.0804ドルまで下押しした。

 連日、米金利の上下に連れて方向感のない動きを繰り返しているドル相場だが、本日のアジア時間も米金利に連れる展開には変わらないだろう。イベントとして注目されるのは、まずは11月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)の結果になる。全国CPIの先行指標となる同指標だが、昨年6月から日銀の目標水準を上回る伸びを記録しているが、11月も東京都区部CPIは生鮮食料品を除いた市場予想は+2.4%となっている。
 依然として日米金利差は埋めがたい乖離があり、円を積極的に買い上げるような地合いではない。しかしながら、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、来年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想は、1カ月前に25%程度だったものが60%以上まで予想が高まっている。一方で、日銀が金融引き締めに転じる思惑が高まり、他国の主要中央銀行が利下げをはじめる思惑があるのに反し、日銀が超緩和政策を終了することになれば若干の円安修正に反応するか。

 円以外の通貨では、豪ドルに注目。日本時間12時半に豪準備銀行(RBA)から政策金利および声明文が公表される。市場予想は政策金利の4.35%据え置きとなっているが、注目は声明文。前回のRBA議事要旨では「インフレを巡るスタッフ予想からみると利上げはあと1-2回となる見通し」との言及があり、他国のような利上げ打ち止め感がまだ出ていない。声明文でも引き続きインフレに警戒姿勢を示すのか、またはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長同様に「十分に引き締め的」との見解を変えるのかが注目される。

(松井)
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