東京為替見通し=ドル円、米雇用統計で下方向への勢いはいったん緩むか

 先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落した。11月米雇用統計は労働需給の引き締まりを示す良好な内容となり、米長期金利の上昇に伴い一時145.21円まで上昇した。その後は143.70円台まで失速するなど神経質な動きも145円近辺まで持ち直した。ユーロドルは米雇用統計の発表直後に1.0724ドルまで弱含んだが、売りは続かず1.07ドル後半に持ち直すなど下押しは限られた。また、ユーロ円は米株高やドル円の上昇を支えに一時156.09円と10営業日ぶりの反発となった。

 ドル円は7日に植田日銀総裁の発言をきっかけに日銀がマイナス金利解除に動くとの観測が強まり、一日で高値から一時5.50円超の暴落と大相場となり、先週末の米雇用統計後も値が飛ぶなど神経質な動きが続いた。ただ、本日は日米で主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、米雇用統計がドル円の下支えとなり、日銀の金融政策関連で新たなニュースが出てこなければ、動きはいったん落ち着く可能性がある。

 市場は日銀の金融政策修正に警戒しつつ、目線は12日の米11月消費者物価指数(CPI)は12-13日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けられ、積極的な取引はいったん手控えられ、日米長期金利の動向を眺めながら145円を挟んでの小動きが見込まれるも、足もとでは下方向への警戒感が根強い。予想を上回った米11月雇用統計を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが来年3月に始まるとの観測は幾分後退したが、それでも5月利下げの見方は依然として根強い。最近、ヘッジファンドが円の下落を見込んで大きなポジションを取っていることも明らかになっている。一方で、ドル円の2週間物リスクリバーサルは、市場が目先のさらなる円高を予想していることを示している。

(金)
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