NY為替見通し=ドット・プロットやパウエルFRB議長による利下げ開始時期への言及に要注目

 本日のNY為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明、ドット・プロット(金利予測分布図)、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見などで、来年の利下げ開始時期への言及を見極めることになる。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、明朝発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、FF金利誘導目標5.25-50%の据え置きはほぼ確実視されている。そして、利下げ開始時期は来年5月となっている。

 9月のFOMCでのドット・プロット(金利予測分布図)は、2023年末が5.60%(5.50-75%)、2024年末が5.10%(5.00-25%)となっていた。フェドウオッチでの2024年末は4.00-25%となっており、1%乖離している。

 11月の米コア消費者物価指数(CPI)が前年比+4.0%だったことで、インフレ抑制の取り組みで難しさが増す「最後の1マイル」が終わっていない可能性が高まっており、パウエルFRB議長が、データ次第という文言で、選択肢をオープンにしておく可能性に留意しておきたい。
 パウエルFRB議長は、12月1日、スペルマン大学(ジョージア州アトランタ)での講演で、タカ派とハト派を織り交ぜた発言をした。

 タカ派見解として「FOMCはインフレ率を時間とともに2%に引き下げること、またインフレが同目標への軌道上にあると確信するまで景気抑制的な政策を維持することに強くコミットしている」、ハト派的見解として「かなり急ピッチでここまで来たあと、FOMCは慎重に前進している。引き締め不足と引き締め過ぎのリスクは一段とバランス(more balanced)がとれてきている」と述べていた。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、12月11日の高値の146.59円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、12月12日の安値の144.74円。


(山下)
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